涙のアイドルを若い大阪府知事は救えるのか? 関西を拠点に活動するアイドルグループ「イースターガールズ」「仮面女子候補生WEST」らが出演する大阪・ミナミの常設劇場「仮面女子シアター」が、大阪府の休業要請支援金の対象にならないことを公式ツイッターで明かし、波紋を広げている。シアターを運営するアリスプロジェクト関係者が本紙を通じて、人気急騰中の吉村洋文府知事(44)に「何とかしてください!!」と、訴えている。

「仮面女子シアターが休業要請支援金の対象とならないと言われました。行政の保証が無いとこれ以上の自粛延長が厳しいです。吉村知事、助けてください。」

 仮面女子WESTの公式ツイッターに先日、救済を求めるツイートが投稿された。アリスプロジェクトの大阪責任者を務めるのは長山真也氏と楠橋伸哉氏。東京本社からは大阪にある劇場の分の支援金を申請できないとのことで大阪サイドで独自に動いたというが…。

「大阪府のコールセンターに連絡しました。13時間くらいかかって、やっとつながり確認したら『本社が東京だから対象外』だと言われました。東京のコールセンターにも確認しましたが『劇場が大阪にあるから、東京では扱えない』と言われる。地方税もしっかり納めているし、休業要請が出る前から自主的に休業もしているのに、支援金を出せないとかではなく、受け付けてさえもらえない。制度のはざまのような状態で、どこに頼ればいいの?って感じです」(楠橋氏)

 大阪府の休業要請支援金は、府内に「主たる事業所」を有し、4月21日以降休業、4月の売り上げが前年同月比で50%以上減少などの条件を満たせば交付される。

 実際、府は12日、休業要請に応じた中小企業や個人事業主に対し、支援金の支給を始めた。中小企業は100万円、個人事業主は50万円を府と市町村が折半して負担。この日は約800件、約5億円分を支払った。

 ただ、「主たる事業所」に関しては、中小企業の場合「本社が大阪府内にあること」とされており、仮面女子シアターが対象外とされたのは、これに該当するためとみられる。

 東京本社が秋葉原で運営している「仮面女子CAFE」については、本社の方で申請を検討しているという。

 最強の地下アイドル「仮面女子」が、関西に進出したのは2015年12月。翌16年12月、200人収容の仮面女子シアターを総工費3億円をかけてオープンし、第4の仮面女子であるイースターガールズ、仮面女子候補生WEST、研究生らが出演してきた。

 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大は順調だった同劇場にも波及。入場客にはマスクの着用や検温、手洗いの他、コール(掛け声)の禁止、タレントとの接触禁止など、さまざまな対策を講じて営業を続けていたが、大阪府のライブハウスでクラスター(感染者集団)が発生したこともあり、3月4日から自主休業に踏み切った。その後、1週間ほど再開したが、同28日から現在まで休業状態が続いている。

 楠橋氏は「ライブハウスは本社が東京にあるところも多い。声に出していないだけで、うち以外にも困っているところは多いのではないか」と、業界全体が抱える悩みであり、一石を投じるため声を上げたという。

 再開できない間も、収入がないまま人件費や施設維持費だけが発生する日々が続いているが、長山氏は「段階的に自粛が解除されても、ライブハウスの解除は一番最後。会いに行けるアイドルだから、会いに行けなくなれば、ファンをやめる人も出てくる。タレントにもファンの方にもストレスがあるけど、できることをやって、つなぎとめたい。そのためにも、自粛要請するだけじゃなくて、もう少し潰れないような対策、補償をしてほしい。吉村知事の目にとまって、支援金の対象にしていただきたい」と訴えた。

 コロナ対応でリーダーシップを発揮し、評価の上がる吉村知事だが、この声にどう耳を傾けるのか?