女優・小泉今日子が「#検察庁法改正案に抗議します」で「もうなんか、怖い」とツイートした検察庁法改正案(国家公務員法改正案と一括で審議)は、衆議院通過に向けて安倍政権と検察庁OBの大バトルに発展している。

 小泉は、元新潟県知事で自民党の泉田裕彦衆院議員が「強行採決なら退席する」と13日にツイートした後、「内閣委員をはずされることになりました」と記した投稿を引用して冒頭のツイートを行った。

 一部の自民党議員の間では、改正案の採決に反対の動きが出始めている。安倍政権に距離を置く石破茂元幹事長は14日に行われた石破派の「ウェブ例会」で「国民の納得、理解を頂ける状況とは全く思っていない」と話し、政府に説明を尽くすよう求めた。

 ある自民党議員は「小泉今日子氏や著名人の反対の声を受け止めた自民党の支持者からも『なぜ、そんなに急ぐのか』と説明を求められています。党内には強行採決に反対の議員が他にもいた。自民党国対が動いて今週の採決に待ったをかけたのです」と明かす。

 衆院内閣委員会で審議中の改正案は、15日に森雅子法務相出席の下で質疑が行われ、採決を巡って与野党が攻防中。与党側は国会会期末が1か月後に迫り、野党の理解が得られなくても採決する方向に傾いている。

「最後は強行採決される見通しです。造反議員は出ても数人程度。泉田氏のように処分される可能性が高いです」(自民党関係者)

 一方、ロッキード事件などの捜査に携わった松尾邦弘元検事総長ら検察OB十数人が「政治の介入により検察の独立性がゆがめられた」と改正案に反対する意見書を法務省に提出(15日)。安倍政権はその動きに視線を注いでいる。

 野党議員は「今後、国会の場で検察OBの経験に基づいた改正案の反対意見を安倍政権に質問していく方針です。安倍政権はどんな答弁を行うのか。廃案に持ち込みたい」と意気込むが…。