緊急事態宣言が39県で解除されたが、ライブやイベントなどの見通しが立たないアイドル業界はまだまだ苦しい。決して裕福とはいえないアイドルたちが、生きるために“パパ活”に精を出しているという。ギャラ飲み相手の実業家にSOSを出したり、パパの援助で起業した元メンバーに紹介をお願いしたり…。コロナ禍で多くのグループが消滅危機に瀕しており、こちらの緊急事態はまだまだ続いている――。

 音楽業界はライブなどの中止や延期に加え、ライブハウスへの営業自粛要請で、大ピンチに立たされているが、中でもアイドルはファンと交流する機会も多く、多大な影響を受けている。

「政府から感染拡大防止として『新しい生活様式』が示されましたが、これを考慮すると、握手会などファンとの“接触イベント”を行うことは難しい。アイドルを抱える多くの事務所は、存続さえも厳しい状況です。メンバーとの契約解除や、最悪の場合にはグループ解散を選択せざるを得ない」(芸能プロマネジャー)

 ライブや握手会などのイベントが延期または中止になった影響で、メンバーの給料も当然ながら激減している。

 しかも、一般的に名の知れたグループであっても大所帯のため、コロナ禍前からそれほどお金を持っていないメンバーがほとんどだ。

 有名なグループになればなるほどメンバーに二極化傾向があり、お金持ちのお嬢様が少数いる一方で、貧しい家庭の子もかなり多いという。

「以前から生活費を稼ぐために、事務所にバレないように実業家たちと“ギャラ飲み”をしていた子も多くいる。そのツテを使って、今はギャラ飲みしていた相手に連絡し、金銭的な援助を求めているんです。ある美容系の実業家は『(アイドル)5人から“パパ活”のお願いが来たよ』と苦笑いしていました」(芸能プロ幹部)

 ただ、困ったことに新型コロナの影響で、実業家たちも多大な損害を被っている。パパ活での接触による感染リスクを恐れる状況もあり、援助の交渉はなかなかまとまらないという。

 そんな困り果てた貧しいアイドルたちが頼っているのが、仲の良かった“卒業生”たちだ。

「グループを卒業後、すぐに飲食店やアパレルブランドなどを立ち上げるケースがあるんですが、実業家などの“パパ”が何らの形で関わっているケースもある。そういった子に『私にも(パパを)紹介して!』と頭を下げている。肉体関係の有無までは分かりませんが…アイドルや元アイドルを好んで援助する人物もいるんですよ」(前同)

 ようやく終息の兆しを見せ始めている新型コロナだが、第2波、第3波も予想されている。“パパ活”は、今後の業界を悲観したアイドルたちには“卒業後”を見据えた職探しでもあるという。

「金銭的な余裕がある人物は限られていますし、アイドル同士で奪い合いの様相も呈している。ただ、心配なのはパパに素性の悪い人物もいること。彼女たちは世間に疎いところがありますから、だまされてひどい目に遭う子も出てきてしまうかもしれない」(前同)

 新型コロナの猛威により、生活に困窮するアイドルたち。仕方ないとはいえ、何か救う手はないのだろうか。