名前もそのまんまの「ホリエモン新党」が設立された。都知事選(6月18日告示、7月5日投開票)に出馬濃厚な実業家の堀江貴文氏が新党を結党したのかと思いきや、代表者はNHKから国民を守る党の立花孝志党首。都知事選後を見据えて、綿密に計算されたその戦略とは?

 都知事選がにぎやかになってきた。25日、元日弁連会長の宇都宮健児氏が3度目の出馬を表明すれば、東京都選挙管理委員会に政治団体「ホリエモン新党」の届け出が受理された。しかし、代表は堀江氏ではなく立花氏だ。直後に堀江氏はツイッターで、30日に発売される都政改革への提言本「東京改造計画」に関して「特定の政党や候補者とは関係ありません」と触れ、暗にホリエモン新党とのかかわりを否定した。出馬となれば無所属の見込みだ。

 一方、立花氏は都知事選と港区長選にホリエモン新党からの候補者擁立を明言。いつものスタンドプレーにも映るが、2人は連携を取っている。

 堀江氏の愛称を冠にした新党を立花氏が勝手につくるワケもなく、都知事選のみならず、来年の都議選も見据えた動きだ。

 堀江氏が都知事に当選したとしても、都議会で多数派を形勢しなければ、立ち行かなくなる。現在は小池百合子都知事が特別顧問を務める都民ファーストの会が127議席中、50議席を占め、第1党になっているように知事与党の存在は都政運営に不可欠となる。

 堀江氏が都知事になった場合、トップを失った都民Fは存在意義を失い、来年7月に予定される都議選までに空中分裂は必至だ。立花氏は「都民Fの議員がうまく堀江新党に入ってもらえば、都議選もやりやすい」と話している。ホリエモン新党もゼロスタートではなく、小池氏が立ち上げた都民Fを“居抜き”で丸ごと頂くための受け皿としたい算段だ。

 堀江知事が誕生した暁には、立花氏率いるN国がホリエモン新党と合流する形で党名変更して、すぐさま国政政党に様変わりすることもできるというカラクリ。立花氏は26日に都庁で設立経緯について会見する。