将棋の高校生プロ・藤井聡太七段(17)の殺害を予告する内容の電話が、出身地である愛知県瀬戸市役所にあった。年配者の声で、藤井七段を名指しして「殺してやる」などと話したという。瀬戸署は脅迫容疑で捜査している。

 捜査関係者によると、電話は24日にあり、市が25日に警察に通報。同署は26日に藤井七段が新幹線で移動する際、車内を警戒したが、トラブルはなかったという。

 藤井七段は2016年10月、最年少の14歳2か月でプロ入り。17年6月にはデビューから無敗で最多の29連勝を達成するなど、数々の最年少記録を打ち立てている。

 史上最年少で挑んだ第91期ヒューリック杯棋聖戦5番勝負の第1局(8日)では“魔王”の異名を取る渡辺明3冠(36=棋聖、棋王、王将)に勝利。さらに、23日には第61期王位戦挑戦者決定戦で永瀬拓也2冠(27=叡王、王座)を破り、2つ目のタイトル挑戦権を獲得するなど快進撃を続けている。

 そんな藤井七段への殺害予告に、観戦記者でプロ棋士の勝又清和七段は「ただただ驚いている。こんなことは将棋界でも初めて。追っかけのファンはいても、危害を加えるようなファンなんて聞いたことがない。将棋連盟にとってもまったく想定外のことではないか」と話す。

 また、28日に行われる藤井七段と渡辺3冠の棋聖戦5番勝負の第2局について、公益社団法人日本将棋連盟は終局後の会見は行わず、報道陣の待機室も準備しないとしている。

 同連盟は「会見は、以前から開幕局と決着局以外は実施しないと主催者と協議がありました。第1局は対局が実施され、最年少タイトル挑戦が確立されたので会見を行いました」と説明し、同事件については「今後は警察に相談の上、適切に対応致します」としている。

 28日の対局に影響がなければいいが。