一昨年4月のボクシングWBC世界フライ級タイトマッチで前日計量をパスできずに王座を剥奪された比嘉大吾(24=白井・具志堅)が13日、この時以来の再起戦となる53・9キロ契約のノンタイトル8回戦を後楽園ホールで行い、ジェイソン・ブエナオブラ(25=フィリピン)に6ラウンド2分25秒TKO勝ちした。

 計量失格で世界王座を剥奪され、翌日の試合も敗れるまでは連続KO勝利の日本タイ記録(15)に並んでいた比嘉の、約2年ぶりの試合ということでこの日の後楽園ホールは立ち見も出る盛況。「こんなにお客さんが来るとは思わなかった。リングに上がった時までは楽しかった」(比嘉)

 だが「上がった時」というように「1ラウンドの前半で疲れた」と試合後に打ち明けた通り、自分よりも長身の相手を攻めあぐね、2ラウンドの開始早々にはアッパーを効かされる場面もあった。

 それでも6ラウンドは右ボディーでダウンを奪うと、再開後も猛ラッシュでレフェリーストップで勝利した。

 大観衆から「ダイゴ」コールを浴びるも、控室に戻ると「世界王者になると夢見て東京に来た18歳の時のような闘争心もない気がするし、倒し方もわからない。それがないとまた世界王者にはなれないと自分でもわかっているけど…」との心境も吐露した。

 この日の試合はバンタム級(リミット53・5キロ=118ポンド)より1ポンド重い契約体重。今後はバンタム級を主戦場にすることも見込まれるが、ここはWBAスーパー&IBF&WBOの統一王者、井上尚弥(26=大橋)が頂点に君臨する。

 その熱い階級で、比嘉はどう戦っていくのか。