レスリング元世界女王の山本美憂(45)が11日、実弟で昨年9月に亡くなった山本“KID”徳郁さん(享年41)が引き合わせたK―1エース武尊(28)との約束を胸に勝利を誓った。

 格闘技イベント「RIZIN.19」(12日、エディオンアリーナ大阪)へ向けて、大阪市内で行われた公開計量に出席。対戦相手の韓国格闘技イベント「ROAD FC」のアトム級女王ハム・ソヒ(32=韓国)と同じ48・95キロで一発パスして笑顔を見せた。勝てばRIZIN女子スーパーアトム級王者・浜崎朱加(37)への挑戦権を得ることが濃厚だが「まずはこの試合に集中したい。今までで一番タフな試合になると思うので、今まで以上に気合を入れて戦いたい」と力を込めた。

 武尊と出会ったのは、拠点とする米グアムで最終調整を行っていた9月末のこと。K―1エースは尊敬するKIDさんをしのび、美憂が練習する「KRAZY BEE GUAM」を訪問。その後、KIDさんの行きつけだった店で食事をともにしたという。「ノリ(KIDさん)に会いに来てくれて、手も合わせてくれてうれしかったですよ。お互いに試合も近づいているので『頑張ろうね』っていう話もして。また(グアムに)来てくれるみたいなので『その時は打撃を教えてね』ってお願いしました(笑い)」

 武尊も右拳の腱を断裂して以来、約8か月ぶりの復帰戦となる村越優汰(25)戦(11月24日、K―1横浜アリーナ大会)が控えており、エールを交換し合った形だ。「次に会う時は2人とも勝って、ノリに報告したい。だからまずは私が勝たなきゃ」。最高の勝利で武尊にバトンを渡すことができるか。