元W―1のエース・芦野祥太郎(30)が、全日本プロレス制圧に向けて前3冠ヘビー級王者の宮原健斗(31)をロックオンした。

 4月の参戦表明から、これまで3大会に出場。W―1時代から行動をともにするユニット「アンファンテリブル」の児玉裕輔(33)、羆嵐(29)とリングに上がり、タッグ戦で3連勝と勢いに乗る。目標は王者・諏訪魔(43)からの3冠王座奪取はもちろん、ユニットでのベルト独占で「俺たちは、やってきたことをぶれずにやるだけ」と不敵な笑みを浮かべる。

 そこで最初の標的に定めたのが、全日本きってのナルシシズム男だ。「踏み台にうってつけじゃないですか? 宮原を食って3冠へ。倒せば、誰も文句言わないでしょ。それに化け物が並ぶ全日本で飛び抜けてでかいわけでもないのに、あの存在感だから。それを食うことで、自分もさらにレベルアップするはず」

 特別な思いもある。2017年3月にW―1チャンピオンシップを初戴冠してから団体をけん引する立場になったが、ほぼ同時期の全日本で3冠王者として輝いていたのが宮原だった。「同世代だし、当時はものすごく悔しかった。W―1と比べたら歴史も注目度も全然上で『どうにかして超えたい、プロレスで覆したい』という思いがずっとあった。こういう状況で戦うのは、運命なのかもしれない」。かつてW―1を恐怖に陥れた“暴君”が、虎視眈々と王道マットの頂点を狙う。