全日本プロレスを侵攻中の元W―1エース・芦野祥太郎(30)が、3冠ヘビー級王者・諏訪魔(43)への挑戦にたどり着いた。

 芦野は25日放送のテレビマッチで、全日本若手のホープ・青柳優馬(24)とシングル戦で激突。3冠挑戦を表明した際に青柳が「待った」をかけたことで決まった一戦で、諏訪魔からはタイトルを懸けることは明言されてはいなかったものの勝てば一騎打ちを約束されていた。

 試合ではなりふり構わぬ青柳から掟破りのアンクルロックを仕掛けられるなどしたが、左足への一点攻撃で徐々にペースをつかむことに成功。コーナーで逆さづりにしての股さきなど残虐な技でダメージを蓄積させると、最後は逆転狙いの青柳から仕掛けられた丸め込みを切り返しアンクルロックでギブアップを奪った。

 試合後は意気揚々と「青柳は2月に3冠に挑戦しただろ。その青柳に今勝ったんだ。次はもう、俺しかいねえだろ。諏訪魔さん、いや、諏訪魔。そのベルトに挑戦させろ」と要求。解説席で試合を見ていた諏訪魔から「無観客で懸けて勝負してやるよ。その意味が分かってんのか? 初めての無観客での3冠戦だぞ?」と約束させることに成功した。

 その後、芦野は「俺はそこでベルトを取ります。全日本の歴史で初めて無観客で3冠。初めての人間ですよ。勝てば全日本の歴史に名を刻むんですから深く刻んでやりますよ」としてやったり。さらに「青柳、確かにいい選手だと思います。でもね、懸けている思いが違いますよ。こっちは背水の陣で何もないところでやってるんだよ。ほかのやつらも言ってたな。『全日本プロレスをなめるな』って。なめるな? なめてねえよ。なめてんのはお前らだよ。俺たちの気持ちなめんじゃねえぞ。こっちは死に物狂いだぞ」と鬼気迫る表情で話した。

 一方、受けて立つ諏訪魔は「芦野は技も重いしスープレックスがあって一点攻めもある。見ていて3冠懸けるにふさわしいと思った。あいつが来てから全日本のファンがストレス抱えてるからさ、そこはガッチリ食らわせてバーンと晴らしたいね」と舌なめずりした。W―1で暴君と呼ばれた男と暴走男の一戦は壮絶なものとなりそうだ。