新日本プロレス2月1日の北海きたえーる(札幌市)大会でV1戦に臨むNEVER無差別級王者の後藤洋央紀(40)が、3冠戦構想を視野に入れた。前王者KENTA(38)がIWGPヘビー級・IWGPインターコンチネンタル(IC)2冠の挑戦権を獲得したことで、とばっちりの逆風が吹く展開に。現状打破のためにも、NEVER王座の価値向上を目指して新たな使命を全うする。

 札幌決戦で激突する鷹木信悟(37)とは、昨年シングルで1勝1敗の五分。後藤は「実績があるし、スタイルも好きな相手。一番はNEVERを高めようという意志がある人間とやりたかった。前王者がそういう人間ではなかったのでね」と迎撃に自信をのぞかせる。

 昨年9月の神戸大会では「和の精神論争」を繰り広げながら、勝利後にフランス産ワインで祝杯を挙げたことを糾弾された。しかし「そもそも和の精神なんてあんまり知らないですし。そこまで意識して語ってるわけじゃない。俺を荒武者のひと言だけでくくるな。(異名に)『混沌の(荒武者)』ってついてるじゃねえか」と、すがすがしく強引に開き直る“後藤ワールド”で反論した。

 一方で混沌がつけば全てが許されるわけではない。東京ドーム大会(5日)では、後藤に敗れた直後のKENTAが2冠王者・内藤哲也(37)を襲撃し、新日プロも挑戦権を認定。既成事実をつくってしまえば何でもありの2冠戦線について「それを阻止できなかった俺にも責任はあるのかもしれないけど、納得はいかないですよね。それが許されるなら、やったもん勝ちじゃないですか!」と問題視する。

 あの状況では誰が内藤のもとへいっても説得力に欠けたことは明白。それがよりによってKENTAだったことで、後藤までもが「常に出遅れている」(鷹木)と批判の対象となった。とはいえ後藤はIWGP・ICの統一戦を最初に提唱した“元祖2冠論者”だけに、史上初となった2冠王者の存在は強く意識しているという。

「それがまかり通るなら俺の3冠(戦)を受けるのが筋なんじゃないの?とは思いましたしね。そこに関しては最短距離を狙ってます。NEVERに選ばれた男として、2冠がなんぼのもんじゃという思いはありますし、NEVERを高めるには俺が勝ち続けること」。IWGP、IC、そしてNEVERの3冠戦実現のためにも、まずはV1戦突破が必須。天下統一の機運を高める第一歩は、北の大地で踏み出す。