Jリーグの村井満チェアマン(60)が思い描く公式戦再開後の“新たな観戦様式”とは――。

 理事会後にウェブ上で会見した村井チェアマンは、新型コロナウイルスの影響で中断しているリーグ戦の再開日程について「29日をめどに方針をまとめたい」と語った。21日に予定される政府の専門家会議を受け、22日の日本野球機構(NPB)との新型コロナウイルス対策連絡会議、Jリーグ臨時実行委員会を経た後に関係各所と協議し、再開のタイミングを図っていく構えだ。

 再開に向けて焦点の一つとなっている、選手やスタッフなどに対する感染の有無を調べる検査については「全選手を検査することは物理的にも供給態勢を考えても難しい。行動管理を徹底することへの助言も頂いている」との見解を示した。

 ひと足早く再開を果たしたドイツや韓国は無観客試合での開催。韓国では観客席に実物大の女性マネキンを配置して波紋を広げた。各国が開催形式に腐心するなか、村井チェアマンは検討段階にない私見とした上で“腹案”を披露した。

「サッカーはある意味で総合型の舞台演出に近い。ファンやサポーターが横断幕を掲げ、声が届き、手拍子が届く」と観客の重要性を強調。「ゴール裏にサポーターの代表を一人ずつ入れて、サポーターみんなの思いを背負って大声を出してというのも妄想で考えたり…。いや5人くらいは大丈夫かと考えてみたり。お客さまを入れられないなら、クラブスタッフをみんなゴール裏に並べて大声で応援するのも一つのやり方と思ったり」とJリーグ独自の方法を模索するつもりだ。

「これも感染防止には、まだダメかなと思ったり」と仮に少数でも観客を入れるリスクは考慮しなければならないが「選手の心を後ろから支えるようなものがサッカーには欲しい」。観戦様式でJリーグモデルを確立できるか。