スペイン1部レアル・マドリードの日本代表MF久保建英(18)に決断の時が迫ってきた。久保は11日に行われたトップチームのローマ戦メンバーから外れ、スペイン1部バリャドリードへの期限付き移籍の可能性が高まっている。久保には欧州各国からもオファーが届くなどモテモテぶりを見せているが、あくまでスペイン残留が基本線。本人とクラブ側が考える思惑とは――。

 バリャドリードへのレンタル移籍が報道されている久保について、同クラブのセルヒオ・ゴンサレス監督(42)は11日に「実際にここに到着するまでは彼について何かコメントすることはできない」と明言を避けたが、移籍の流れは加速している。

 スペイン1部の開幕まで1週間を切り、久保の去就もいよいよ大詰めの段階に。そんな中で改めて浮き彫りになったのが、チーム内外での久保に対する評価の高さだ。

「建英にはスペイン国外からもオファーが届いているようだ。かなりいいクラブも含まれていると聞いている」と指摘するのは欧州事情に詳しいJクラブ関係者だ。

 スペイン紙「マルカ」などは、久保に対しバリャドリードのほか、ビリャレアル、エスパニョール、マジョルカ、レバンテと同国1部の5クラブが期限付き移籍のオファーを出したと報じている。さらに、ドイツやイタリア、フランスなど主要リーグの複数クラブも獲得に乗り出していたことも判明。欧州移籍が可能となる18歳を前に欧州ビッグクラブが争奪戦を展開していたが、今回も再びシ烈な綱引きが展開される形だ。

 そうした中で前出の関係者は「本人は、まずスペインでという考えがあると聞く。レアル側も希望に沿う形で進めるはず」。Rマドリードでは期限付き移籍の場合はスペイン国外のクラブで武者修行させるケースが多いが、久保はRマドリードのトップチームで早期に活躍することを目指し、スペインでのプレーを強く希望している。

 もちろんRマドリード側は久保の意向を最大限尊重する構え。期限付き移籍させる場合は、相手のチーム事情や戦術など実力を発揮しやすい環境を選定していくという。同じ武者修行といっても、他の選手と比べても扱いは別格だ。

 引く手あまたの日本の至宝。ファンの興味は、どこで開幕を迎えるのかではなく、どんなプレーを見せてくれるかに移っている。