日本の“元エース”に不安がささやかれている。ブラジル1部ボタフォゴに加入する元日本代表MF本田圭佑(33)は東京五輪に24歳以上のオーバーエージ(OA)枠での出場を目指し、再スタートする。五輪本番まで残り半年を切った中で、本拠地リオデジャネイロの40度を超える気候と、世界有数のリゾート地として知られる「コパカバーナ」が大きな障害になりそうだ。

 Jリーグに多数のブラジル人選手を紹介してきた公認選手代理人は「ボタフォゴはリオ4大クラブの一つ。1800年代(1894年)の創立という名門だな。本田は実力的にスタメンで出られる力はあると思うけど、この時期のリオは暑いんだよ。昼間は40度になることもあるし、不慣れな環境でいきなりバリバリやれるかは微妙だろうな」と指摘する。

 日本の裏側に位置するブラジルは現在、真夏とあって真冬の日本からの移籍となると、すぐに現地の気候に慣れるのは難しい。適応するにも数週間程度の時間がかかると言い「急に気温が高いところに行っても体がついていかない。それに約2か月もプレーしていないんだから体力もきついんじゃないか。コンディションは苦労するだろう」(同代理人)。

 東京五輪出場を目指す上で本田に残された時間は半年もない。昨年12月にオランダ1部フィテッセを電撃退団し、ようやく新天地が決まり、すぐにでも好プレーを見せたいところ。だが、現状では森保一監督(51)にアピールする以前に戦える体調に整えることが最優先で、出遅れは確実。本田にとって大きな誤算と言えそうだ。

 さらに同代理人は「リオはリゾート地としても有名だけど、コパカバーナには行かない方がいい。本田は(イタリア1部)ACミランにいたから有名人だし、すぐに強盗とかに狙われるよ。サッカー選手でも関係ない。根こそぎ持っていかれる。あそこに行くのは、外国から来た観光客だけで地元の人間はいかない」と警鐘を鳴らした。

 2016年のリオ五輪でも問題となったが、コパカバーナは世界的観光地であると同時に危険スポットとしても知られる。五輪当時は警察当局が警備を強化。ビーチへの立ち入りを制限するなど対策を施していたが、五輪が終わって以降、再び犯罪が多発している。仮に本田がオフの息抜きとしてビーチを訪れることがあれば、トラブルに巻き込まれかねないのだ。

 リオでは本田フィーバーが巻き起こり歓迎ムードの一方、過酷な環境が待ち構える。これをクリアし、結果を出せるか。