政府の緊急事態宣言解除を受け、コロナ禍で1年延期した東京五輪を目指すトップアスリートたちが、続々と本格的な練習再開へ動き出す。

 まずは男子体操個人総合五輪2連覇・内村航平(31=リンガーハット)だ。

 日本体操協会はナショナルトレーニングセンター(NTC)使用に関するガイドライン・活動計画を作成し、施設を管理する日本スポーツ振興センター(JSC)および日本オリンピック委員会(JOC)に提出。26日までに承認され、内村は6月1日から施設の利用を開始することが決まった。昨年はケガの影響もあって世界選手権の代表から漏れた。五輪に向けて、キングはここから完全復活を目指す。

 バドミントン界の絶対王者・男子シングルスの桃田賢斗(25=NTT東日本)は6月19日からの代表合宿に参加する意向だ。日本バドミントン協会の銭谷欽治専務理事(67)は30日の理事会後、桃田について「かなりカムバックして(練習が)できている情報は入ってきている。間違いなく参加してくれると思う」と語った。

 世界ランキング1位で五輪出場を確実にしている桃田は今年1月、遠征先のマレーシアで交通事故に巻き込まれて顔面3か所を負傷。その後は「右眼窩底骨折」で手術を行い、容体が心配されていた。所属のNTT東日本も「目の具合はかなり回復しており、フィットネスは良い状態にあると聞いています」といい、合宿については「参加を前向きに検討できればと考えている」と話した。

 なお、バドミントンの日本代表合宿は男女別で行い、NTC以外の施設を検討中という。

 コロナ禍で1年延期となった東京五輪は暗いニュースが続くが、2人のスーパースターの完全復活はひと筋の光になる。