中国で猛威を振るう新型コロナウイルスの感染者が国内で次々に確認されている状況を受けて、東京マラソン(3月1日開催)を心配する声が上がっている。

 今大会は東京五輪男子代表の残り1枠をかけた「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)ファイナルチャレンジ」第2戦を兼ねており、大迫傑(28=ナイキ)、設楽悠太(28=ホンダ)らトップ選手が激突する。代表選考レースは大詰めを迎えて大きな注目を集めるが、ここで水を差しかねないのが新型コロナウイルス問題だ。

 新型コロナウイルスについては中国本土で重症急性呼吸器症候群(SARS)の死者を上回ったとの報道もある。国際事情に詳しいマラソン関係者は「(参加ランナーは)人数こそ分からないが、中国を含め、アジアからもたくさんエントリーしているのでは」と指摘。一方でエチオピア、ケニアなど実力のあるアフリカ選手を招待選手としており「こういう状況が続けば、出場に難色を示してもおかしくない」と不安視した。

 東京マラソン財団の広報部によれば、現時点で新型ウイルス対策チームを設置して情報収集に努めている。また、参加者、ボランティアは前日29日までに受け付けが必要なため、希望者にはその際にマスクを配布し、当日も参加者にはゴール後に再びマスクを配る予定。担当者は「あくまで開催を前提に準備を進めている。今後は共催の東京都や日本陸連と情報を共有しながら、行政機関の指示に従っていきたい」と本紙にコメントした。

 参加者3万8000人、ボランティア1万1000人に加え、沿道には例年100万人以上が詰めかける大規模イベントは無事開催となるのか。