他の選手には無関係の問題なのか!? 女子ゴルフで笠りつ子(32=京セラ)の暴言騒動が意外なところに余波を及ぼしている。笠の問題を受け国内ツアー「大王製紙エリエールレディス」(21日開幕)の会場、愛媛・エリエールGC松山で19日、選手に向けて日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の事情説明と笠の謝罪の場が設けられた。しかし、確認できた出席者はわずか2人だけ。世間の大きな関心とは対照的な選手の無関心が浮き彫りとなった。

 この日は笠が選手たちに謝罪後、報道陣の取材に応じる予定だった。ところが、時間になっても説明会が行われる部屋に選手が集まってこない。本紙が出席を確認できたのは、選手会長にあたるプレーヤーズ委員長の有村智恵(31=日本HP)と藤田さいき(33=チェリーゴルフ)の2人だけ。シード争いの最終戦とあって、調整に専念する選手、あるいは前夜祭に出席するため、早めにコースを後にする選手がほとんどだった。

 説明会を開いたLPGAによれば、出席は任意で、選手への連絡は「1週間ほど前に行った」とのこと。10月の「マスターズGCレディース」での笠の暴言が明らかになって以降、その背景として「開催コースのタオルがなくなる」という問題も浮上している。

 笠は脱衣所でストレッチをするため床に敷くタオルをコース関係者に要求したが、断られたことで暴言を吐いた。タオルを置いていなかったのは、同大会では過去に紛失が多く、今年は用意をやめたからだった。

 ただし、LPGAの小林浩美会長(56)はこのタオル問題について、すでに「協会では確認できていない」として、調査を行わないことを明言。世間からはある意味、“タオル泥棒”の嫌疑がかけられている形の選手たちも、この問題の当事者という意識は薄いようだ。

 一方で説明会後、報道陣の前に姿を現した笠は目に涙を浮かべ、大会主催者、LPGA、選手、ファンに対し「私の不適切な発言でご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」と謝罪。「発言は報道の通り?」という問いかけに「はい」と答え、コース関係者との5分弱のやりとりの最後に「死ね」などの言葉があったことを認めた。

 厳重注意などLPGAの処分が決まったことを受け、笠は17日に主催者や開催コースに足を運んで改めて謝罪。マネジメント会社によれば「『来年お待ちしています』という趣旨の言葉をいただいた」という。また笠は「今はゴルフに対する気力がなくなってしまっている」として、年内のトーナメント出場、各種イベントへの参加を自粛。来季の復帰については「気持ちが100%になれたら」と話した。

 笠が公の場で説明と謝罪を行ったことで、騒動は一段落だが、タオル問題はこのまま迷宮入りとなりそうだ。