2連覇がかかるメジャーは開催されるのか!? 女子ゴルフの渋野日向子(21=サントリー)が今週開催予定だった国内ツアー「資生堂アネッサレディス」(神奈川・戸塚CC)前年優勝者のオンライン会見で、連覇がかかる「AIG全英女子オープン」(8月20日~)出場に意欲を示した。とはいえ、すでに男子の「全英オープン」「全英シニアオープン」(いずれも7月)は中止に。女子も開催が危ぶまれる状況になっている。

 今季初戦となった「アース・モンダミンカップ」の予選落ちから1週間、渋野は「終わった瞬間はショックで、後悔したところもあったんですけど、寝たらすぐ直りましたね」。引きずることなく、翌日から前向きに練習を再開した。

 昨季とのスイングの変化を評論家やファンがさまざまに指摘しているが、本人は「そんなに大幅に変えたという意識はなくて、スタンスが狭くなったというのも『あれ、そうだっけ?』というぐらいの感じでした」。オフからの取り組みは変えることなく、今後も継続する方針だ。

 新型コロナウイルスの影響で大会の中止が相次ぐ中、渋野は「2連覇のチャンスは私にしかないので」と次なる目標に「全英女子」を挙げ、推薦が得られれば前哨戦の米女子ツアー「スコットランド女子オープン」(8月13日~)にも出場したい考えだ。

 ただ、問題は大会が開催されるのかどうか。渋野は「私の中ではやると思っている」と口にするが、見通しは厳しい。「全英女子」と同じくR&A主催の「全英シニア」(23日~)は2日に中止を発表。テニスの4大大会「ウィンブルドン選手権」(6~7月)、男子のメジャー「全英」が中止となり、地元メディアでは「全英女子」についても悲観的な報道が出ている。

 サッカーのイングランド・プレミアリーグは再開となったが、国内のリーグ戦とは違い、いずれも海外から多くの選手が集まる大会。同じく欧州開催の女子メジャー「エビアン選手権」(8月6日~、フランス)は、選手や関係者らの米欧間の渡航が困難な状況が中止を決めた理由の一つに挙げられた。

 英国政府は3日(日本時間4日)、3月中旬に発令した不要不急の国外渡航の自粛勧告を改定し、日本を含む60以上の国、地域は4日付で自粛対象から除外することを発表した。

 10日からは英国入国者に義務付けていた2週間の自己隔離措置も一部解除され、日本からの渡航者も免除対象となる。

 とはいえ3日の発表では、英国の新型コロナウイルス感染に伴う死者は4万4000人を超え、一日あたりの死者数も137人に上っていることは多くの選手や関係者が国外から出入りするゴルフのメジャー大会開催には不安材料だ。

 渋野の連覇への挑戦は来年に持ち越しとなってしまうのか。「全英女子」の開催の可否は近くR&Aが発表するとみられている。