新型コロナウイルス禍の中で行われた国内女子ゴルフの開幕戦「アース・モンダミンカップ」(6月25~29日)で3位に食い込んだ田中瑞希(21)が一躍脚光を浴びている。2日目から首位に立つと最終日も最終組でプレーし、ファンも一気に急増。昨年3度目の挑戦でプロテストに合格した黄金世代の新ヒロイン候補だが、ここまでは決して順風満帆ではなかった。1回目のプロテスト後のハプニング、さらに順延となった開幕戦の最終日にあったドタバタ劇の真相に迫った。

 ――最終日を単独首位で迎えた開幕戦の反響は

 田中 LINEとか、SNSのメッセージで、100件ぐらい連絡が来て、みんな見てくれていたんだなあって思いましたね。

 ――昨年は33試合で賞金が約1100万円だったのが、今年は1試合で1560万円

 田中 賞金を稼いだって実感はまだないですね。これといって使ってないですし。

 ――好成績の要因は

 田中 昨年、シーズンを通してツアーに出られたことが大きかったですね。ツアーに慣れたというか、自信もついたと思います。自分に足りない部分も知ることができて、オフは100ヤード以内の練習や下半身のトレーニングに力を入れました。

 ――大会前から好調だった

 田中 前の週に久々に動画を撮って、自分のスイングを見たら、思っていたのと違って、キモかった。なので、困ったときに相談しているコーチに連絡しました。試合の直前だったんで「今はどうしようもないよね」って感じの話になったんですけど、ある程度は修正できたので、悪くない状態では入れたと思います。

 ――悪天候で順延になった日曜日(6月28日)は何をしていた

 田中 少し練習して、あとはレンタカーがそのまま延長できなかったので、羽田空港まで往復しました。運転は嫌いじゃないし、(東京湾)アクアラインを使って、片道30分ちょっとだったので、苦じゃなかったですけどね。いつも通り、運転中は歌を歌ってドライブを楽しんでました。ジャンルを問わず、いろいろ。EXILE系、ヒゲダン(Official髭男dism)、女性アーティストだったら西野カナとか…。

 ――プロテストは3回目での合格。苦しい時期はなかった

 田中 1回目のプロテスト(2017年)に落ちた後の冬ですかね。QTもエントリーミスで受けられなくてヘコみました。モチベーションが下がって、ほとんど練習もしない時期もありました。

 ――エントリーミスとは

 田中 書類を2枚出さなきゃいけないところを1枚しか送ってなかったとか、そんな感じだったと思います。

 ――そんななか、同い年の黄金世代が次々に初優勝を挙げた

 田中 私も頑張ったら、イケるんじゃないかという気にさせてもらいました。いいライバルが身近にいた感じですね。

 ――昨季は引退した佐伯三貴(35)と行動していた

 田中 ツアーに出ることになって知り合いのキャディーさんに紹介してもらいました。毎週、練習ラウンドや食事をご一緒して、いろいろと勉強させてもらいました。近いうちに(佐伯の地元の)広島に行って、練習を見てもらう予定です。

 ――今季は来年末まで続く

 田中 勝ち切れないところはまだまだなんですけど、最終日は悪いなりに粘れたことは自信にもなりました。シードを取りたい、優勝したいと思って、今季を迎えたので、目標を達成できるように頑張ります。