2年後も土俵に!? 横綱白鵬(35=宮城野)が新型コロナウイルスの影響で異例の無観客開催となった大相撲春場所(大阪府立体育会館)で2場所ぶり44度目の優勝を飾り、健在ぶりを示した。

 千秋楽(22日)は横綱鶴竜(34=陸奥)との相星決戦を力強く寄り切って制した。

 終わってみれば13勝2敗と堂々たる成績。大関昇進が確実な関脇朝乃山(26=高砂)ら若手による世代交代を阻止し「ホッとしている」と安堵の表情を浮かべた。

 異例ずくめの無観客場所には「モチベーションをどう持っていくのか、浮き沈みが激しかったのが一番」。日々静寂した館内で闘争心を維持することが難しかったというが、その一方で今後の土俵人生は思わぬ展開となるかもしれない。

 かねて白鵬は東京五輪が開催されるまでは現役を続けることを公言。父親のムンフバトさん(故人)が1964年の東京五輪に選手として出場したこともあって、土俵に立ち続ける原動力となってきた。ただ五輪が終わった後はどうなるのか。本紙は“五輪ロス”に陥る可能性も報じてきたが、事態は急転。新型コロナ禍で東京五輪の開催そのものが危ぶまれ、延期を求める声が世界中から相次いでいる。

 延期後の開催についても「2年後」「1年後」「年内」などの意見が出る中で、延期となれば白鵬の目標達成時期もスライドされることになる。大横綱のモチベーションはこの先も「五輪まで…」とキープされる可能性が出てくるのだ。

 白鵬は「このような(無観客)場所を経験したってことはこれからの相撲人生に生かしていきたい」とかみしめるように話したが、現状では土俵を去る理由が全くないことは確かだろう。