大相撲11月場所(11月8日初日、東京・両国国技館)で三役復帰が確実な幕内照ノ富士(28=伊勢ヶ浜)が“同世代大関”に刺激を受けている。

 元大関は7月場所で復活Vを果たしたが、秋場所は勝ち越しながらも左ヒザの状態が悪化して途中休場。上半身を鍛えつつ、患部の回復を待って稽古を再開した。すでに相撲を取れる状態だが「まだ全力は出しきれていないけど」と話すように、慎重に調整を続ける。

 そうした中、来場所へ向けて注目を集めているのが新大関の正代(28=時津風)だ。今回の昇進を受けて照ノ富士は「すごいな。同じ年だしね」と率直な感想。「人のことはどうでもいい」と言いながらも「大関上がるのって、そう簡単なことじゃないから。最後にしっかり優勝も決めて文句なしじゃないですか。俺も早く抜かないと、というのはありますね」と対抗心を隠さなかった。

 7月場所では1敗をキープして臨んだ14日目に正代に土をつけられ、優勝は千秋楽に持ち越しとなった。照ノ富士は「その日に決めたかったので、それがもう悔しくて」と猛省。その一番の映像を100回ほど見返し、先場所の白星につなげたという。

 来場所は大関返り咲きへの出発点となるだけに「ここから3場所が大事。ダラダラとしている暇はないので。(左ヒザに)爆弾抱えながらやってますから、いつ何が起こるか分からない」と気合十分だ。