試合方式の変更が意味するものとは――。卓球女子で東京五輪代表の石川佳純(26=全農)が、団体戦悲願の金メダルへ“先手必勝”の重要性を訴えた。

 ロンドン、リオに続く3大会連続で五輪切符をつかみ、今後はワールドツアー・ドイツオープン(28日開幕)など、本番まで多くの国際大会に出場予定。「シングルスは同じくらいの世界ランキングの選手に勝つことと中国の主力選手に一度でも勝てるように。それとダブルスもしっかりやらないとダメだと思うので、自信を持って戦えるように頑張りたい」と意気込んでいる。

 石川はシングルス代表に2番手で選出された立場。ここでの注目は、個人戦と同等に団体戦のダブルスにも力を入れることを強調している点だ。

 この背景にあるのは、五輪団体戦がこれまでと異なる試合方式で行われることだ。ダブルス1試合、シングルス4試合で3勝したチームの勝利という基本ルールは同じだが、かつては第3試合だったダブルスが今回は第1試合となる。昨年11月の五輪テスト大会を兼ねたW杯団体戦では同様に実施され、平野美宇(19=日本生命)とペアを組んだ石川は「1試合目で負けると次はプレッシャーがかかる。それは自分自身経験していることなので、いい形で次の選手に回すのがすごく大事」と力説する。

 さらに、伊藤美誠(19=スターツ)を第2試合のシングルスで起用した場合、第3試合で再び石川に出番が回ってくることが濃厚。もしそれが0―2とリードを許した展開だったとしたら、自身にかかる重圧は計り知れない。だからこそ初戦のダブルスが“絶対に負けられない戦い”となるわけだ。

「練習をやればもっともっと良くなると思う」と自信も見せる。団体戦のメダル獲得は石川のスタートダッシュがカギを握りそうだ。