【カザフスタン・ヌルスルタン14日発】レスリングの世界選手権が開幕。非五輪階級の男子グレコローマン63キロ級で、リオ五輪59キロ級銀メダルの太田忍(25=ALSOK)が準決勝でカザフスタン選手を下し、15日の決勝に進出。銀メダル以上が確定した。

 初戦から準決勝まで3試合すべてテクニカルフォール勝ちという圧勝。準決勝では4点タックルを繰り出し「今日は(全試合を)通して、しんどいところで胴タックルを決められた。ベラルーシ、ロシアの遠征を通じて課題としてやってきた成果」と胸を張った。

“打撃系ウオーミングアップ”が強さを後押ししている。もともと総合格闘技が大好き。練習や試合前のアップに「自分に合っている」とハイキックやパンチのミット打ちを行っている。足を高々と上げ、シャドーボクシングでパンチを繰り出す姿は本職顔負けだ。太田によれば体幹強化にもつながり、レスリングにも効果があるという。パンチングミットを数年前に購入し、遠征にも持参。今ではなくてはならないアイテムだ。

 気になる総合格闘技転身については「東京五輪で金メダルを取って自分の名前が上がらないと」と大目標を達成してから。今回は五輪階級の60キロ級代表の座を逃した。東京五輪への道は五輪階級の動向次第となるが「どんな状況になっても五輪の希望は捨てないです」と結果次第では大幅な階級変更も辞さない構え。まずは63キロ級でタイトルを奪い、世界王者として五輪切符を狙う。