レスリング世界選手権の男子グレコローマン60キロ級で金メダルを獲得した文田健一郎(23=ミキハウス)が、早くも東京五輪モードに切り替えた。20日、羽田空港着の航空機でカザフスタンから帰国し「(決勝)前日に五輪代表も決め、優勝した瞬間はうれしかったが、東京(五輪)まであと10か月ある。スタート地点に立っただけ」と気を引き締めた。

 優勝したら10日ぐらい休むつもりだったが、2~3日で練習を再開する予定。「オリンピックの金メダルじゃないとダメ。ゆっくり旅行もしたいが東京が終わってから」とレスリング漬けの生活に戻る。世界選手権では、今後の課題も見つかった。「投げが警戒されている中で、グラウンドでポイントを取って勝つ展開が多かった。対策されているのはしょうがないので、東京ではいかに自分の技をかけられるか。世界で通用する技のバリエーションが増えれば、そり投げも生きてくる」。五輪本番に向け、さらなる進化を狙う。