レスリングの世界選手権(カザフスタン・ヌルスルタン)を終えた男子フリースタイル日本代表が25日、成田空港に帰国した。

 2連覇を目指した65キロ級の乙黒拓斗(20=山梨学院大)は、3回戦でロシア選手にまさかの敗戦。それでも敗者復活戦を勝ち抜き、5位までに与えられる国別出場枠を獲得した。「初日に負けてしまったけど、気持ちを切り替えられたのは成長した部分。世界で5番以内に入れたので、少しは手応えを得た」と振り返った。12月の全日本選手権で優勝すれば代表に決まるだけに「絶対に優勝します」と力強く意気込んだ。

 74キロ級の奥井真生(24=自衛隊)はレスリング界の新たな歴史を作った。これまで、男子フリー70キロ台級では、五輪前年の世界選手権で国別出場枠をつかんだ選手がいなかったが、5位と大健闘。海外勢の高い壁を打ち破り、国別出場枠を手にした。乙黒と同様、全日本選手権で頂点に立てば五輪切符が手に入る。「12月はやるだけ。急に(状態を)上げると調子が狂うと思うので、全日本にピークを持っていけるようにしたい」と前を見据えた。