「住みよさランキング2019」全国総合トップ50 前年から基準変更、改定版で1位となったのは

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今年の住みよさランキング2019で1位になったのは石川県白山市でした(写真:津幡のTAKA / PIXTA)

東洋経済『都市データパック』編集部が1993年以降発表している住みよさランキングは、“住みよさ”を表す各種指標について偏差値を算出して、その平均値を総合評価とし順位付けしている。

今回の「住みよさランキング2019」では、算出指標やランキング対象について大幅な変更を行った。そのため前年の結果との連続性はなくなっていることに留意いただきたい。

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まず算出の基となる指標の数を、前回の16指標から22指標に拡充した。人口当たりの犯罪件数や交通事故件数、子ども医療費助成の対象年齢、水道料金、そして気候(夏暑くなく、冬寒くなく、日照時間が長い都市が上位)など、これまでとは別の視点からの指標を中心に、追加を行った。

もう1つの変更点は、東京23区の千代田区・中央区・港区をランキング対象から外したことだ。“都心3区”と呼ばれるこれらの区は、マンション開発により人口は増加傾向にあるものの、主要企業の本社が数多く所在するビジネス街の性格が強い。

昼間人口は夜間人口(住んでいる人口)の3倍を超え、算出指標には1人当たりの指標が多くあるため、多くの指標で圧倒的上位になり、地方都市を含めたランキングにはそぐわないと判断し、対象から外した。

金沢市に隣接する2市がベスト3に入る

算出指標が大きく変わった「住みよさランキング2019」の全国1位は、石川県白山市となった。

白山市は2005年に松任市ほか2町5村が合併して発足し、市域は日本海に面する沿岸部から白山国立公園区域内まで広がり、面積は県内一広い市。金沢市の南西に隣接しており、通勤・通学者の3割弱が金沢市に通うベッドタウンで、また石川県を代表する工業都市でもある。

ランキングでの白山市の特徴は快適度が8位、富裕度が77位と高いことにある。快適度の指標である転出入人口比率が高く(19位)、さらに水道料金の安さ(37位)や汚水処理人口普及率の高さ(74位)から上位になっている。

富裕度では、延べ床面積(96位)や持ち家世帯比率(103位)など住環境の指標が高いほか、住宅地地価を除くすべての富裕度の指標が全国平均を上回る。

総合3位は石川県野々市市だが、野々市市と総合1位の白山市とは隣り合っている。野々市市は、2011年に野々市町が単独で市制施行し、金沢市と白山市に四方を囲まれた県内一面積が狭い市である。市内には金沢工業大学などがあるほか、学生以外の若い世代も多く、平均年齢は全国で8番目に若い。ランキングでは利便度が11位、安心度が121位と高く、1位の白山市とは異なる指標が上位になっている。

利便度では人口当たり小売販売額(5位)や人口当たり大型店面積(2位)が全国屈指で、安心度では20~39歳女性人口当たり0~4歳児数(37位)や老年人口当たり介護施設定員数(97位)が多く、子ども医療費助成も2019年4月より対象年齢を18歳まで拡大しており全国トップになっている。

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