安倍「なんでもあり」政権が民主主義を破壊する 「安倍一強」のもとにひれ伏す独立行政機関

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衆院予算委員会で答弁する安倍晋三首相。安倍政権は今や「なんでもあり」になりつつある(写真:つのだよしお/アフロ)

「今や安倍政権はなんでもありだ」

最近、こんな言葉が永田町や霞が関に広がっている。

森友学園や加計学園問題に始まり、安倍晋三首相主催の「桜を見る会」、さらには検察官の定年延長問題と、政権中枢が関わる問題が表面化すると、場当たり的な説明で切り抜けようとし、それが破たんすると関連する公文書を改ざんしたり、廃棄したり。揚げ句の果てには法律解釈を強引に変更したりと、やりたい放題だ。

目の前の問題を処理するために、歴代内閣が積み重ね、作ってきた手続きや法秩序をいとも簡単に無視し続けているのだ。

失われつつある独立機関の政治的中立性

為政者が政権維持のために短期的な成果を上げようと強引な手法をとりたがるのは、安倍政権に始まったことではない。だからと言って手続きや法律などを軽視すれば、法秩序が揺らぎ、倫理観が壊れ、社会全体が混乱するなど、中長期的にはより大きな公益が失われる。

ゆえに、政権の行う政策などが公平さや公正さを保っているか、法律に抵触していないかを常にチェックする必要があり、そのために内閣からある程度独立した組織が政府の中にも作られている。具体的には会計検査院や人事院、内閣法制局などだ。広い意味では日本銀行なども独立性が認められている。

ところが今、これら独立性の高い組織が本来の役割である行政のチェックを行うどころか、安倍政権が起こす問題の対応に巻き込まれ、政治的中立性を失いつつある。

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