シトロエンを最近よく見かけるようになった訳 超個性派ならではの商品戦略とブランド戦略

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オレンジのアクセントカラーも個性的な「C3エアクロスSUV」(筆者撮影)

このところシトロエンを以前よりもよく見かけるようになった気はしないだろうか? 実際にここ数年、シトロエンは販売台数を着実に伸ばしている。

2015年の途中にはDSシリーズが「DSオートモビルズ」としてブランド独立したものの、2017年にはシトロエンブランド単独で3000台超を達成。創業100周年を迎え、日本でも記念イベントが開催された2019年は、4000台を優に超えるなど、過去最高の登録台数を毎年純増で更新し続けている。

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日本における直近のモデル別販売比率(受注ベース)は、2019年には「C3」が56.2%、「C3エアクロスSUV」が16.5%、「グランドC4スペースツアラー」が10.6%、「C5エアクロスSUV」が10.7%で、2020年(1~5月)はそれぞれ41.2%、31.1%、7.2%、15.9%となっている。

デザイン性だけではない「選ばれる理由」

最量販は現行型になってからずっとC3で、ついでC3エアクロスSUVが売れているのは、世界的に伸張著しいBセグメントSUVの中で、商品力の高さがユーザーから評価されていることの表れだ。

一方で、デビューから時間のたった7人乗りミニバンのグランドC4スペースツアラーも、他社のミニバン勢とは一線を画するデザインや乗り心地が評価されて、コンスタントに売れている。

「グランドC4スペースツアラー」は「グランドC4ピカソ」として2014年に国内導入された(写真:グループPSAジャパン)

「シトロエンを買い求める方は、ファッション性、デザイン性で購入される方が増えました。また、安全装備の充実やクオリティー、信頼性の向上により、誰でもあまり何も意識することなく接することのできるクルマと認識されてか、以前に比べて購入層の幅が広がったように思います」とシトロエン・ブランドマネジャー中山領氏は述べる。

極めて個性的なクルマでありながら、決して特別なものではなく、他の輸入車と同じように気兼ねなく購入して乗れるという両面をバランスよく持ち合わせたことで、より多くのクルマ好きにシトロエンという選択肢を再発見してもらえている部分もあるという。もちろん、これまでシトロエンに接してきたことがない新規ユーザーも増えている。

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