明治通りの広い空き地、何のため? 総武線と京葉線つなぐ「幻の貨物線」その将来は

明治通りの一部には道路の拡張用地のような空き地が連なっています。もともとは貨物線を建設するために確保された土地。現在は貨物列車ではなく路面電車のような小型の車両を走らせる構想が浮上していますが、実現していません。

港湾整備に伴い貨物支線の延伸を計画

 東京初の環状道路「明治通り」。東京都港区の南麻布から渋谷、新宿、池袋などの繁華街を通りながら北上し、北区からは南下して東京湾岸の埋立地、夢の島(江東区)まで延びています。

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当初は東京湾岸の工場地帯を結ぶ貨物線として計画された京葉線。総武本線と京葉線を結ぶ南砂町線も計画されていた(2018年12月、草町義和撮影)。

 夢の島とその北側では、明治通り沿いに幅10mくらいの空き地が続いています。道路を拡張するための敷地のように見えますが、実は総武本線と京葉線を結ぶ貨物線の建設用地として確保されたものです。

 まず1929(昭和4)年、総武本線の亀戸駅から南下して小名木川駅を結ぶ総武本線の貨物支線(越中島支線)が開業。小名木川駅は近くを流れる小名木川の水運と貨物列車の接続地点になりました。

 戦後の1958(昭和33)年には東京港の整備に伴い、越中島支線が現在の越中島貨物駅まで延伸。さらに、東京湾岸の工場地帯を結ぶ貨物線として京葉線が計画されたことから、越中島支線と京葉線を短絡する「南砂町線」の建設も計画され、国鉄は1969(昭和44)年、東京都に対し南砂町線の建設用地の確保を依頼しました。

 東京都が1973(昭和48)年にまとめた『東京港臨海部鉄道計画調査報告書』によると、南砂町線は現在の越中島貨物駅と有明貨物駅を結ぶ約4.6km。ほかに同線への連絡線を約3.3km整備するとしていました。

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