大口径砲を搭載したWW2の飛行機5選 上空から圧倒的火力で対地対艦攻撃 対B-29にも使用

ミサイルがまだなかった第2次世界大戦時、中長距離の前方目標に向けて攻撃するためには、もっぱら大砲が使われました。それは飛行機に搭載する火器も同様で、地上および水上目標だけでなく、対空目標に対しても用いられました。

既存の機銃じゃ効果なし B-29や戦車を屠るための大口径砲を航空機に

 第2次世界大戦では、各種兵器が急速に発達しました。大戦後半にはロケット弾が登場しますが、一方で大型化、高性能化する飛行機にできるかぎりの大口径砲を積もうと、各国で試行錯誤されました。

日本(75mm砲「ホ501」)

 日本が使用した航空機搭載火器のなかで最も大きかったのは、旧日本陸軍の75mm砲「ホ501」です。これは太平洋戦争末期、日本本土へ襲来するB-29大型爆撃機を迎撃するために開発された、キ109特殊防空戦闘機の主武装として開発されました。

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太平洋戦争後、アメリカ軍に接収されるキ109特殊防空戦闘機。機首から突き出ているのが75mm砲(画像:アメリカ陸軍)。

 ホ501は、地上に設置して使う八八式七糎(センチ)野戦高射砲をベースとし、航空機搭載用に改造したものです。給弾装置として15発入りの弾倉を備えていましたが、手動装填のため連射はできませんでした。

 ホ501を装備するキ109特殊防空戦闘機は、陸軍の四式重爆撃機「飛龍」を改装した対B-29用の迎撃機で、遠くから一撃で撃墜できるよう開発されました。しかし遠距離射撃による照準の難しさや命中精度、さらに爆撃機ベースという機体自体に起因する機動性などの諸問題などから、期待したほどの戦果はあげられなかったそうです。

ドイツ(75mm砲BK7,5)

 ドイツも75mm砲を航空機に搭載していました。ただしドイツの場合は迎撃用ではなく、対戦車用としてでした。ドイツは圧倒的な数で進撃してくるソ連軍戦車部隊を撃破するために、対地攻撃機に75mm砲を搭載しました。

 3.7cmおよび5cm対戦車砲などとともに、航空機に搭載されたのが7.5cm砲「BK7,5」です。ヘンシェルHs 129対地攻撃機やユンカースJu 88中型爆撃機などに、胴体下部へ取り付けるポッド式で装備され、空からソ連戦車を狙いました。

 また、少数ながらハインケルHe 177大型爆撃機にも、対戦車用として装備されています。

【写真】対戦車砲と爆撃機の合体 空から戦車を攻撃するJu 88P-1

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コメント

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3件のコメント

  1. 日本にも37mm砲を搭載した機体があったのにソ連についてだけ言及してるのは何故?

  2. キー109は最も好きな迎撃機?だ、J7W1よりもこちらの方がB-29には有効だと思う。
    高空性能さえ良ければと惜しまれる。

  3. >ソ連は第2次世界大戦中、「NS-45」という45mm口径の機関砲を開発しましたが、試験機への搭載のみにとどまった
    Yak-9Kを試験機への搭載のみとして、37mmをソ連最大口径とするのはいささか納得がいかないですね。
    実際にはNS-45搭載のYak-9Kは53機生産され、これらは340出撃、計403時間を飛び、51回空戦に参加しています。
    1機か2機程度作って工場やそこらの滑走路で飛ばしただけではなく、試験の一環とはいえ実際に前線に投入され、敵機を撃墜している機体です。