スマホの電話番号が乗っ取られる「SIMスワップ詐欺」に注意 気づかぬうちに口座から送金される?
使っていた携帯電話やスマートフォンが突然つながらなくなったらご用心! 電話番号が乗っ取られている可能性があります。気づいたら銀行口座からお金がなくなっている…なんて事態に。「SIMスワップ詐欺」と呼ばれるこの手口、いったいどんな方法なのか、徹底解説します。
自分の知らないところで勝手に機種変更をされてしまい、その端末を悪用されてしまうという「SIMスワップ詐欺」。具体的にはどのような手口があるのでしょうか。
個人情報を入手して偽造免許証を作成
携帯電話の回線が突然つながらなくなったAさん。実は、事前に犯人がAさんを偽のショッピングサイトなどの「フィッシングサイト」に誘導して、住所や名前などを入力させることで個人情報を入手していたんです。
犯人は、この個人情報をもとに、偽造運転免許証を作ります。そして、偽造運転免許証を使ってAさんになりすまし、携帯電話販売店で端末やSIMカードを「紛失したので再発行をしてほしい」などと言って、SIMカードの再発行手続きを行います。
犯人に電話番号を乗っ取られる
このSIMカードは、電話番号などのデータが入っていて、端末に入れることで通信や通話ができるようになります。犯人側がAさんのSIMカードを再発行して、犯人が持つ携帯電話にSIMカードを入れると前のSIMカードは無効に。Aさんの手元にある携帯電話の回線がつながらなくなってしまうんです。
つまり、電話番号が乗っ取られ、自分の持っていた端末が誰かに奪われるのと同じことになります。
お金を別口座に送金される危険性がある
ITジャーナリストの三上さんによりますと、電話番号とショートメールを使えば、インターネットバンキングの口座に不正にアクセスしてお金を別口座に送金することや、ネットショッピングの利用、さらには消費者金融での融資を受けることも可能になり、大きな被害につながってしまうとのことです。
「SIMスワップ詐欺」絡みでは、偽造した免許証で他人になりすまし、スマートフォンのSIMカードを再発行させた疑いで、2023年1月、男2人が愛知県警に逮捕されています。2人は再発行させたSIMカードを挿入したスマホ使って、ネットバンキングに不正にアクセスし、別口座に金を送金した疑いで2月に再逮捕され既に起訴されています。