栄光を知る元キャプテンが現在のアーセナルの振る舞いを危惧「最高の選手を売る側になっている」

2020.05.03 14:25 Sun
Getty Images
かつてアーセナルのキャプテンを務めていた元イングランド代表DFトニー・アダムス氏が、古巣の振る舞いに不満があるようだ。イギリス『スカイ・スポーツ』が伝えた。
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アダムス氏は、1983年にアカデミーからアーセナルのトップチームへ昇格。現役生活を全てアーセナルに捧げ、2002年7月に現役を引退した。

90年代には鉄壁のディフェンスを築き、“フェイマス4”の一角として知られることに。キャリアではプレミアリーグ2度を含むリーグ優勝4回、 FAカップ3回、リーグカップ2回のタイトル獲得に貢献していた。
引退後もアーセン・ヴェンゲル監督の後任候補に挙がるなど、クラブやファン・サポーターからも愛されている存在だが、現状のアーセナルのスタンスについてコメントした。

アーセナルは、ガボン代表FWピエール=エメリク・オーバメヤンやフランス代表FWアレクサンドル・ラカゼットら、クラブの主力選手に移籍の噂が流れている。

アダムス氏は、「おそらく、彼はドアから出ていくことができるだろう」とオーバメヤンに退団の可能性があることを示唆。しかし、自身の現役時代と、現在のクラブが取っている補強戦略を比較し、強さを取り戻すことは難しいと懸念を示した。
「私は、元監督のアーセン・ヴェンゲルの主義を愛していた。クラブよりも大きな選手はいないということだ。そして、それがクラブにとって財政的に意味のあることであれば、選手を移籍させていた」

「彼はその方針でも強く、毎年チャンピオンズリーグの出場権を手に入れていた。しかし、それはリクルート面の邪魔にもなっていた。我々は、最高の選手を売る側のクラブになったんだ」

「私が監督だったら、『どんな値段でもオーバメヤンを売らないでくれ。我々は補強が必要で、アカデミーから選手を連れてきて、最高の選手を保持する必要がある』と言うだろう」

「クラブの幹部は、“the class of '92”(デイビッド・ベッカムやポール・スコールズらマンチェスター・ユナイテッドのアカデミー黄金世代)に飛びついたね。1983年の我々の世代では、ユースチームにナイアル・クイン(アイルランド)、ポール・マーソン(イングランド)、マイケル・トーマス(イングランド)、デイビッド・ローカッスル(イングランド)、マーティン・キーオン(イングランド)、そして私の6人の代表選手がいた」

「しかし、そこからクラブ幹部のダニー・フィスマンが多額の資金を1995年、96年に投入し、その結果、ワールドクラスの選手がアーセナルに集まるようになった」

「その時、マンチェスター・ユナイテッドのアレックス・ファーガソン監督が私のところにやってきたんだ。ただ、クラブを去りたくなかったので、クラブに『野心はあるのか?』と聞いたよ」

「クラブは『心配なくていい。我々はたくさんの資金と投入しているし、そこに向かっている』と言っていた」

「私はチームに残り、歴史の一部となった。デニス(・ベルカンプ)が来て、ニコラ・アネルカ、(パトリック・)ヴィエラ、マヌー(エマヌエル・プティ)、ロベール・ピレス…我々は5人のワールドカップ王者がいた」

「今は全く別のクラブであり、アーセナルのここ数年の補強は素晴らしいとは言えないだろう」

「今、最高の選手を売る側になっている。そして、全ての最高の選手を売っている状況は、リーグ戦のスカッドを作るつもりがないということだろう」

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