韓国の秀林文学賞を受賞した同作は、朝鮮戦争の傷が癒えない60年代初めのソウルが舞台。戦争孤児の主人公キム・ヒョンが米軍のラジオ局から流れてくるポップスに魅了されてギターリストとなり、繰り広げられる物語だ。
在韓米軍基地内のクラブステージ「米八軍舞台」で活躍する若きミュージシャンたちの姿を描いた音楽青春小説だが、朝鮮戦争後の混乱や軍事独裁政権下の人々の暮らし、当時の社会・風俗を知ることができる。
ソウル在住で自身も同作にほれこみ、日本の出版社に翻訳出版を提案した翻訳家の岡裕美さんは「米軍基地を通じて欧米の音楽を受け入れた韓国ポピュラー音楽の胎動期の姿を生き生きと描写した、日本の読者も興味深く読める作品」と話す。
「ギター・ブギー・シャッフル」は新泉社が今年1月から始めた新シリーズ「韓国文学セレクション」の第2弾。同シリーズは、韓国の現代作家が新しい感性、新しい表現のスタイルで描いた、社会的な題材を主題とした作品を出版する。
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