ペク・ヒナ氏(資料写真)=(聯合ニュース)
ペク・ヒナ氏(資料写真)=(聯合ニュース)
【ベルリン聯合ニュース】絵本「ふわふわくもパン」の作家、ペク・ヒナ氏が3月31日(現地時間)、「児童文学のノーベル賞」と呼ばれるアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞した。韓国人作家の受賞は初。 同賞は「長くつ下のピッピ」で知られるスウェーデンの児童文学作家リンドグレーンをたたえるため、同国政府が2002年に創設した。 審査員側は「ペク氏は素材と表情、ジェスチャーに対し驚くべき感覚を持ち、映画のような絵本を通して孤独と結束力についての話を紡ぎ出した。作品は驚異的な世界に入り込む通路」と評価。「すべての物語に、子どものものの見方と私たちの人生における遊びと想像が持つ力に対する揺るぎない信頼が感じられる」と強調した。 ペク氏は現地紙DNのインタビューに、「信じられない。本当に驚きで、幸せだ」と語り、子どもたちのために書き続けたいとした。 04年出版の「ふわふわくもパン」は、お母さんが雲でつくったパンを食べて体がふわふわ浮いた猫の姉弟が、朝ごはんも食べずあわてて会社に出かけたお父さんにパンを届けるという話。豊かな想像力と温かい家族愛が伝わってくる。テレビシリーズとミュージカルになり、キャラクターグッズも販売されるなど、広く親しまれた。 ところがペク氏は出版社と著作権を一括譲渡する契約を結んだために、2000万ウォン(約180万円)足らずしか手にできなかった。同氏は出版社を相手取り訴訟を起こしたが、一、二審とも敗訴した。 DNとのインタビューでは「訴訟は願うようにはいかなかった。だからこそ、この賞が大きな希望をもたらす。私がこの先も本を書いていく力をくれるだろう」と語った。 ペク氏には賞金500万クローナ(約5400万円)が贈られる。授賞式は毎年6月1日にストックホルムで開かれるが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて無期限延期された。  ペク氏は1971年生まれ。「ふわふわくもパン」で05年に児童書の見本市、ボローニャ国際児童図書展に入選。13年には韓国出版文学賞を受賞した。
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