軽自動車税の納税季節を迎えていますが、市区町村は住民に納税の義務を課す一方で、税務窓口の統廃合や業務縮小を進めているため、届出や廃止の税務手続きが年々難しくなっています。大都市とされる地域ほど統廃合の影響は大きく、北海道札幌市ではその解消策として、税務の一端をバイクショップの組合が担うことになりました。
市税事務所が15カ所から1カ所に? 統廃方針で
北海道札幌市の市税業務の一部を、北海道のバイクショップで組織する組合「AJ北海道」(北海道二輪車商業協同組合/大村直幸会長)が受託しました。
AJ北海道が一般競争入札を経て落札したのは「原動機付自転車等標識取扱所の設置運営等業務」です。主に原動機付自転車、小型特殊、電動キックボードなどの特定小型原付を対象とする、納税の届出受付と課税標識の交付の税務です。
組合加盟店の中から市内にある5〜6店舗を窓口として、届出件数全体約3分の1程度を取り扱う見込みで、契約期間は2029年3月31日まで。
軽自動車税の納税に関わる業務をバイクショップの組合が受託するのは、全国でも極めて珍しいケースです。
札幌市ではこれまで、市税務所5カ所と委託自転車組合加盟店約10カ所を窓口としていました。
自治体業務の簡素化や効率化などで、軽自動車税の事務を取り扱わない方針が示され、札幌中央市税事務所1カ所に絞られることになりました。厳冬期にバイクが使えない地域がほとんどのため、税務リストラの対象になっていました。
しかし、札幌市の人口は200万人。人口100万人以上の市に限定してその面積を比較すると、札幌市は全国一の広さを誇ります。窓口が1カ所に絞られることで、住民サービス低下は避けられません。
届出や自賠責保険加入の必要性を訴え続けてきたAJ北海道は、こうした問題点を札幌市に訴えながら、税務窓口方針改善を申し入れてきました。受託業務を引き受けることが可能だったのは、組合の行政への働きかけがありました。
所有者は、バイク購入や廃車時には市区町村の税務窓口への届出が必要です。登録業務は市役所や町役場などの庁舎で行っていますが、人口が多く、面積の広い都市部では、出張所などに併設された市税事務所でも受付が可能です。
札幌市の場合、これらの事務所のほかに、原動機付自転車が「自転車」とされていた時代のなごりで、自転車組合加盟店が窓口となる受託業務窓口が約10カ所ほどありました。この受託業務を、バイクショップの組合が引き受ける形となりました。
税務窓口は、全国的にも縮小傾向です。行政の効率化につながる一方で、利用者が軽自動車税の届出の必要性を感じにくくなる側面があります。
電動化で増えてきたペダル付バイク(いわゆるモペット)の利用者の中には、課税標識を取り付けない車両を無免許で運転し、歩行者に怪我をさせる事故も起きています。
バイクショップは対面販売で課税標識や自賠責保険の必要性を利用者に説明しながら、無届の防止に務めてきました。
札幌市での一部市税業務の受託は、こうした活動の長年の積み重ねが評価されたことが考えられます。