友人の家のクローゼットには、なぜか“ある物”がどんどん溜まっていきます。収納スペースを圧迫し、生活にもじわじわ影響が。理由をたどると、そこには夫なりの“信念”がありました。友人が、「夫の困った」エピソードを聞かせてくれました。
クローゼットを占拠する「謎のコレクション」
結婚して10年、わが家のクローゼットには、なぜかいつも“空き箱”が詰まっています。犯人は夫。
夫は、「フリマサイトで売るときのために取っておくんだよ」と言いながら、スマホの箱、スニーカーの箱、デスクトップパソコンの巨大な段ボールまで、あらゆる“購入時の箱”を手放さないのです。
「箱があると見栄えがいいでしょ。そうすると高く売れるんだよ」と言いますが、彼が実際に売ったのは、随分前に買った腕時計ひとつだけ。
私「これ、処分しよう? 場所とるし」
夫「いや、いつか使うかもしれないから」
──この会話を、私は何度繰り返したことか。
「ちょっと待って、それは大事な箱なんだ!」
ある日、ついに限界を迎えた私は、意を決して段ボールの山を片付けようとしました。クローゼットが空き箱で溢れ、物を置くスペースにもガラガラと崩れ落ちていたからです。
すると夫が、「ちょっと待って! ダメだよ、売るときに使うんだから」と慌てて立ちはだかりました。
「クローゼットからはみ出さないようにするから、いいでしょ?」と言いながら、段ボールを1つずつ解説し始めました。
「これはiPhoneが入っていた箱」
「これはデスクトップPCの箱が入ってた箱」
「これは見てわかるように、ストーブの箱」
「ね、全部必要なの」
……いや、それ、“思い出”じゃなくて“空き箱”ですから! と心で突っ込む私。
永遠にやってこない「いつか」のために
結局、私は「じゃあ、せめて畳んで保管してよ」と妥協案を出し、夫も渋々了承。
しかし、翌日クローゼットを開けてみると、箱は畳まれることなく、箱の形を保ったまま、天井までそびえ立っていたのです。
夫の「いつか売る」の“いつか”は、きっと永遠に来ない。
今日もわが家のクローゼットは、空の段ボールでパンパンになっていくのです。
【体験者:40代・パート、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。