ドライバーなら誰もが目にする道路上にペイントされた白矢印の路面標示。
右左折を示す矢印があるにも関わらず、無視して進んでいる車を見かけると「あれって違反じゃないの?」と、気になる方もいるのではないでしょうか。
この道路上の白矢印と標識との関係などについて、実際の道路と、愛媛県警の見解などをもとに解説します。
▼道路上の白矢印、無視する車両が…
まず、路面にペイントされた白矢印の一例として、松山市中ノ川通りの交差点を見てみます。
この道路は片側3車線で、最も右側の車線にのみ、白の実線で右折を示す矢印が表示されています。
取材のため、記者が交差点に到着して間もなくのことでした――。最も右側の右折矢印のある車線。赤信号で停止した記者の車の前には、1台の白の乗用車。
青信号になり白の乗用車は発進しましたが、右のウインカーを点けることもなく、路面標示の白矢印に従わずそのまま直進。
路面標示の白矢印を無視してしまいました。
▼危ない!白矢印の無視が後を絶たず
さらに、全く同じ場所で別の乗用車も――。
右矢印のある車線を走行する乗用車は、交差点に差し掛かってもほとんど減速しません。
そして、対向車線で右折待ちをしている原付バイクに接近しながらも、白矢印の路面標示を無視し、そのまま直進しました。
これら2台の車両以外にも、この道路を観察したわずかな時間の間に、右折矢印のある車線で直進する車が散見されました。
▼白矢印の無視は交通違反?警察に聞いてみると…
では、この白矢印の路面標示に従わず直進すると『交通違反』に当たるのかどうか、愛媛県警に確認してみました。
まず前提として、標識や路面標示には、公安委員会や道路管理者による『指示標示』『規制標示』、そして道路管理者による『案内表示』などがあります。
例えば、オレンジの中央線、30kmや40kmの速度制限の標示は『規制標示』です。
一方、車両通行帯を区切る白の車両境界線は『指示標示』、東京や大阪などの地名と矢印で経路を示す道路標識は『案内表示』です。
これらのうち、交通規制である『規制標示』に従わない場合は、道路交通法に違反となります。
愛媛県警交通企画課によりますと、今回取り上げた交差点では、案内表示にあたる白矢印の路面標示のみで、他の交通規制がなかったため「表示に従わず直進しても、それ自体が直ちに交通違反とはならない」ということでした。
ただ、この表示に従わず事故を起こした場合について、愛媛県警は「安全運転義務違反にあたる可能性がある」と指摘しました。
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▼無視すると違反になる『白矢印』に、よく似た標識も…
一方、一見同じ白矢印の路面標示であっても、『規制標示』にあたる白矢印が存在します。
この『規制標示』にあたる白矢印は、進行方向別通行区分という交通規制を示すもので、各車両通行帯ごとに進むべき方向が示されていて、標識は、青色の看板に白矢印です。
『進行方向別通行区分』によく似ていますが、意味が異なる標識に『一方通行』や『指定方向外進行禁止』があるため、注意が必要です。
ただ、警察庁の交通規制基準では、「進行方向別通行区分」の規制は、原則として路面標示により行うこととされていて、標識が必ずしも設置されるわけではありません。
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▼標識がない場合も…白矢印をどう見分ける?
では、無視すると違反となる「進行方向別通行区分」の『白矢印』と、今回取り上げた規制標示ではない『白矢印』は、ドライバーはどうやって見分けるのでしょうか?
実際、路面表示の矢印だけを見ると、どれも同じように見えます。
①の白矢印は、愛媛県警に確認したとおり『案内表示』であり、規制標示ではありません。
また、②の白矢印については、①にほど近い場所で交差点手前に白破線の矢印もありますが、愛媛県警によりますと、『進行方向別通行区分』による矢印ではない、ということです。
一方で③については、交差点手前に『進行方向別通行区分』の標識があるため、この矢印は規制標示の矢印であることがわかります。
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▼標識がない場合は?警察に聞いてみると…
この点について、再度、愛媛県警に確認したところ、「路面標示のみで見分けることは困難」とした上で、「規制標識が設置されている箇所では、交通規制が行われていると言えます」と回答がありました。
この標識の設置について、愛媛県警は「本県では、『進行方向別通行区分』の交通規制を実施する際には、路面標示のほか、各交差点の交通状況や道路構造等を鑑みて、必要な箇所に標識を設置する」としており、やはり、全ての場所に標識があるわけではないようです。
一方で、規制標示でない白矢印であっても、「道路管理者(国や自治体)が、その先の道路形状や交通流を鑑みて整備しているものであり、交通事故及び渋滞の防止や交通の安全と円滑を図る観点からも、守っていただくものであると考えております」と説明がありました。
なお、進行方向別通行区分に違反すれば、5万円以下の罰金、普通車の場合は反則金6,000円、違反点数1点となります。
愛媛県警交通企画課は、法に抵触する・しないを判断基準にするのではなく「道路標識や標示を確認し遵守していただくとともに、思いやりを持った安全な運転をお願いします」と呼び掛けています。
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