FIA F2選手権の第7戦フィーチャーレースが、スペインのカタルニア・サーキットで行なわれ、プレマのオリバー・ベアマンが優勝した。
前日のスプリントレースは雨絡みの難しいコンディションでレースが行なわれたが、日曜日のフィーチャーレースは青空の下、ドライコンディションで実施された。
ポールシッターはベアマン。エンツォ・フィッティパルディ(カーリン)が2番手だ。DAMSの岩佐歩夢は、ジャック・ドゥーハン(ヴィルトゥオーシ)の横、4番手からのスタートとなった。
フィーチャーレースはタイヤ交換義務のある37周のレース。上位陣はスタートでソフトタイヤを選択したが、ポイントリーダーのフレデリック・ベスティ(プレマ)は8番手からハードタイヤでのスタートを選んだ。
好スタートを見せドゥーハンを交わした岩佐は、フロントロウの2台と3ワイドでターン1へ。フィッティパルディがランオフエリアに逃れた一方、岩佐はうまくスピードを乗せられずテオ・プルシェール(ARTグランプリ)やドゥーハンに抜かれ5番手でオープニングラップを終えた。
しばらくデニス・ハウガー(MPモータースポーツ)からプレッシャーをかけられていた岩佐だが、数周もするとハウガーを引き離すことに成功。他上位勢と遜色ないペースを発揮した。
上位勢は1.5〜2秒ほどの間隔でラップを重ねていたが、プルシェールと岩佐が10周目にピットへ入りハードタイヤに交換。ベアマンがステイアウトしたのに対し、フィッティパルディやドゥーハン、ハウガーも翌周にピットインした。
岩佐はタイヤがまだ温まっていないピットアウト直後のドゥーハンをターン3で捉え、ひとつポジションを上げることに成功した。プルシェールもフィッティパルディにオーバーテイクをしかけたが、これは成功せずにランオフエリアに飛び出すことになった。
ステイアウトしていたベアマンは13周を終えてピットイン。フィッティパルディの目の前でコースに復帰した。
15周目になると、ベアマンらピットインを済ませたマシンがハードタイヤでスタートしまだピットインしていないマシンをかき分けながら前を目指す展開に。この中でプルシェールが岩佐とドゥーハンにオーバーテイクを許してしまった。
一方ハードタイヤでスタートしたマシンの中では、ヴィクトー・マルタンス(ARTグランプリ)が首位、ベスティが2番手。ベアマンらがトラフィックの中でタイムを落とすのを尻目に、好ペースで周回を重ねた。
25周目になると、ベスティがピットイン。ハウガーの後ろ、実質7番手でコース復帰となった。マルタンスも26周目にピットインし、こちらは5番手につけた。
これでほとんどのマシンがタイヤ交換義務を消化し、首位はベアマン。3.5秒間隔でフィッティパルディ、岩佐と続いた。ただソフトタイヤを履いたマルタンスとベスティがハイペースで追い上げる格好だ。
マルタンスは28周目にドゥーハンを交わし、岩佐の4秒後方の4番手に。岩佐もハードタイヤを履くトップ3の中で最も良いペースを重ねたが、残り5周というところで真後ろまでマルタンスが迫った。
岩佐は圧倒的にタイヤの状況が良いマルタンスを巧みに抑えたが、残り3周のターン1でついにオーバーテイクを許し表彰台圏内から脱落となってしまった。
さらにベスティにも激しく攻め立てられた岩佐だが、ここでさらに驚異の粘りを見せてベスティをブロック。なんとか抑えきり、4位でチェッカーを受けた。惜しくも表彰台は逃した岩佐だが、ポイントリーダーのベスティの前でレースを終えた。
首位はベアマン。ポールから完璧なレース運びで優勝を果たした。2位はフィッティパルディ。最後はマルタンスに迫られたが、こちらもポジションを守りきった。
ベアマンがポール・トゥ・ウィン。岩佐歩夢、惜しくも表彰台逃すも粘りの4位|F2スペインフィーチャーレース
motorsport.com 日本版 2023年06月04日 19時53分