琉球ワークスは、沖縄の魅力を伝える土産品を中心にオリジナルグッズなどを企画開発している。
岩月昭雄社長は愛知県内の土産品の開発企業に勤め、スキー場などで販売するグッズを手掛けたが、スキーブームが落ち着いてきたこともあり、全国の水族館に営業対象を切り替えた。沖縄県に美ら海水族館がオープンするタイミングで、勤務先の会社の子会社として琉球ワークスを設立した。
当初は慣れない土地での営業に苦労したが、現地のことを学ぶことで沖縄への魅力が深まった。美ら海水族館向けには、ストラップや文具、コップなどのグッズを開発。事業が軌道に乗り、2018年には親会社との資本関係を解消し独立、2019年に名護市に新本社を設立した。
現在の取扱商品は約1600点。取引先は沖縄県内の企業などを合わせると約700社になった。土産品店が集まる「国際通り」の店舗などが主な取引先となっている。
ヒット商品の一つが「オリオンビール」のグッズだ。岩月社長が学生時代に流行したバドワイザーのグッズをヒントに、それまで目立ったグッズがなかった「オリオンビール」のロゴでTシャツを制作したところ、ヒット商品に育った。これをきっかけにブランドグッズが広がり、「当社からブランドに積極的に企画提案している」(岩月社長)。
▲販売している「オリオンビール」のグッズなど
<土産店からコンビニに目移す>
コロナが広がった2020年3月から、観光施設や、国際通りの店が軒並み休業。「仕事がない状態だった」(同)。
そこで、コンビニエンスストアや量販店に目を向けた。沖縄県内のコンビニは独立経営が多く、オリジナル商品を販売する店もある。オリジナルグッズを求めてコンビニに行く消費者に向けた商品提案を強めた。
<Bカート導入で既存顧客の9割がEC化>
コロナ前は取引先からの注文に電話やFAXで対応していた。注文内容の確認と在庫確認作業に3〜4人で半日かかり、夏の繁忙期には作業が追いつかず、事務所にいるスタッフ全員が業務に追われることもあった。
コロナのあおりを受けて大幅な減収となった結果、その後の急激な売上回復と受注増に対応が難しくなっていたという。
現場から業務改善の話しが持ち上がりBtoB―ECサイト「BtoBオンラインストア」を立ち上げることに決めた。地元の商工会議所からITツール導入補助金の仕組みを知り、これを活用してBtoB-EC専用カート「Bカート」を2021年に導入した。
BtoB-ECに特化したシステムであることや操作性の高さ。何よりも掛け払いサービスを使うことで、与信審査の手間がなくなることが魅力だった。
ECサイトの立ち上げにあたり取引先には、電話やFAXによる受注を止めることを伝えた。独自システムで発注を行う大規模企業やネット環境のない小さな店舗といった例外を除き、9割以上が電話やFAXから「Bカート」へ移行した。
コロナ禍で対面営業ができずスマホによる受注も増えていたタイミングだった。それでも不慣れな取引先には営業担当者が出向いて説明を重ねた。
この結果、売上高は2019年と比較して約3倍に、スタッフ一人当たりの労働生産性は約7倍に拡大した。残業時間も88%減り、有給消化率はほぼ100%となったという。
「Bカート」の導入は、新規取引先獲得にも貢献している。「Bカート」からの新規取引申込は毎月7件以上のペースで増加し、2022年に約500社だった取引先は現在約700社に拡大した。
カートシステムと同時に導入した「Bカート掛け払い」により、従来は、前払いにするか、申し込みから1週間ほどかかった与信も数時間で自動設定されるため、効率的に取引先を増やせるようになった。回収業務のほか、請求書送付の手間がなくなったことで生産性も向上した。岩月社長は「少人数で生産性が高まり、新規顧客開拓にも大きく貢献している」と話している。
【「Bカート」サービス概要】
BtoBの受発注業務をEC化するクラウドサービス。BtoB特有のさまざまな商習慣に標準対応している。カスタマイズが不要ですぐに利用できる。中小企業から上場企業まで、2000社以上の導入実績がある。現在75万を超える事業者がBカートで発注を行っている。月額9800円から即日スモールスタートすることができる。
【「Bカート掛け払い」サービス概要】
マネーフォワードケッサイと協業する企業間決済サービス。取引先の与信審査から請求書発行、代金回収までの請求・決済業務を一括して代行する企業間後払い決済・請求代行する。