虫刺されの痕に「血豆」...これってもしや“マダニ”!?何の虫に刺されたのか「見分ける方法」「適切な処置」教えます【画像閲覧注意!】

筆者はいったい「何の虫に刺されたのか」…

瀬戸内地方は、梅雨入り間近です。気温や湿度の高まりとともに、様々な虫が増えています。特に「吸血タイプの虫」や「チャドクガ」のような毒虫には注意が必要です。

そんな中、虫に刺されたらまず「どんな虫に刺されたのか」を特定し、適切な処置を行うことが大切です。

筆者は、5月下旬、岡山県南部の山の中でのインタビュー中に、膝のあたりにかゆみを感じました。

気になりつつも、インタビューを続けているうちにかゆみは消失。「蚊に刺されたのかな」くらいに思っていましたが、約12時間後、膝をみてびっくり。

かゆみはまったく感じないのに、【画像①】のように「直径2mmほどの小さな血豆」ができて、周りが赤く腫れているではありませんか。まるでほくろのよう。これはどうも、蚊に刺されたのではなさそうです。

【画像①】ホクロのようですが血豆です

一体何に刺されたのか…まさかマダニ!?

初めて「虫に刺されて血豆ができる」経験をした筆者は、心配になり「血豆」「かゆみがない」「虫刺され」などで検索してみたところ、「マダニ」の可能性があるとのことでした。

マダニの場合、かゆみなどの自覚症状がないまま吸血され、刺された痕に血豆ができることがあるようです。しかも、マダニが感染症を媒介した場合、発熱や嘔吐などの症状がでることもあるとか。

とても不安になって、翌朝皮膚科を受診すると「マダニだとしたら、まだマダニが皮膚にくっついているはずだから、これはブヨ(地域によってはブユ、ブト)でしょう」とのことでした。

マダニは、一旦吸血をはじめると、体長が「スイカの種」ほどの大きさに膨らむまで数日間、皮膚にくっついているのだそうです。

ちなみに...マダニに刺されたら大変なことに!

害虫駆除を専門とする東洋産業の大野竜徳さんに、マダニについて聞きました。

(東洋産業 大野竜徳さん)
「マダニは、近年、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)のような病気を媒介することで広く知られるようになった、ダニの仲間です」【閲覧注意!画像②】

【画像②】マダニ

「野生の動物や野良猫などがうろつく、雑木林・草地・野山・倒木の裏などに潜んでいます」

「マダニは成虫でも3〜8mmで、平たい体をしていますが、吸血後には水風船のように膨らみ、大きいもので20mm近くになるものまでいます」【閲覧注意!画像③】

【画像③】吸血してパンパンに膨らんだマダニ

「マダニは葉や木の枝の先端で、獲物が来るのをじっと待っています。そこに近づいた動物のニオイや体温に反応し、飛び移ってきます」

「そこから吸血しやすそうな場所を探して体を這いまわり、服の内側や毛の中に入り込み、吸血を始めます」

「吸血中は痛みゼロで気づかれにくく、お腹いっぱいになるまで差し込んだ口で相手の体に刺さっているので、なんだかマメのようなものがあるぞ、ということで後から気が付くことがあります」

「主な症状として、マダニが外れた後に吸血部が腫れたり赤くなったりすることもありますが、力任せにとろうとすると、マダニ自身が分解してしまい、口の周りが皮膚の中に残った状態で膿んでしまうことがあります」

「さらにSFTSや日本紅斑熱などのウイルス・細菌を媒介することがあるとても怖い生き物です。慣れていない方は絶対に素手で取ろうとせず、医療機関にかかりましょう」

▼見分け方① マダニは数日間、皮膚にくっついていることが多い

ブヨも実は油断できない!「人によっては発熱・めまいも...」

ブヨの被害にあった筆者は、約24時間経ったころから、かゆみが次第に増し、【画像④】のように、周辺の皮膚が少し熱を帯び、かたくなってきました。

処方された薬を塗ったり保冷剤で冷やしたりしてみましたが、約48時間は、痛がゆく不快な時間が続きました。

【画像④】ブヨにやられて約24時間後。血豆は消失したもののかゆみは次第に増してきます。

害虫駆除を専門とする東洋産業の大野竜徳さんは、

「かゆみがない時間というのは、虫が刺した時に、相手に気づかれてしまっては逃げられたり追い払われたり、たたき殺されてしまうので、うまく麻酔をかけてくるせいでしょう」

「威嚇や防御のための攻撃ではなく、そっと血を盗んでいく生き物は、相手に気づかれないようにしなければならないからです」と話します。

(東洋産業 大野竜徳さん)
「ブヨは2〜5㎜くらいの小さなハエの仲間で、渓流沿いや渓流の近い登山道、キャンプ場、のどかな山あいの避暑地などに出現します」

ー筆者が被害にあったのも、まさにそのような場所です。

「蚊よりも小さく、音もなく近づいてきて、気づかないうちに血を吸っていく、まるで忍者のような吸血鬼。私たちの皮膚をノコギリのような口で切り裂いてにじみ出た血を舐めます」

ーロングスカートの下から入って膝あたりを吸血するとは、忍者のようです。

「その時血が固まったり、痛みを出したりしないように、血が固まりにくくなる麻酔成分のような唾液を傷口に擦りつけます」

ーそれで、かゆみもない時間が続き、気づいたときには、血豆になっていたのですね。

「主な症状としては、刺された数時間後から猛烈なかゆみ、赤い腫れ、熱を持つなどの症状が出て、ひどくなると数日から1週間ほど症状が続きます。人によってはリンパが腫れ、発熱、めまいなどの全身症状が出る場合もあります」

▼見分け方② 血豆が出現することも 渓流沿いなどに行ったかどうか

朝夕に海辺で刺されたら、それは「ヌカカ」?

「蚊に刺された!」と思っていたら、実は、そうではないこともあります。

同僚の記者が、海釣りをしていて露出していた足首が【画像⑤】のような状態に。

【画像⑤】露出していた足首に被害が集中していた。

ー「強烈なヤブ蚊に刺されたものと思っていた」といいますが、もしかしたら??

(東洋産業 大野竜徳さん)
「ヌカカかもしれません。特に『海釣り』という状況から、ヌカカが犯人である可能性が高いです」

「海沿いは虫の種類が少なく、さらに刺してくる虫で【画像⑤】のような刺され方だとするとヌカカが第一候補です」

「鳥取県の弓ヶ浜近辺では、今でも自治体が注意を促すほど大発生していますが、海釣りに行くときには気を付けたほうがいいですね(あまり刺されたことはありませんが、刺されたら本当にかゆくて、しかもすぐに治らないので…)」

「釣りは、釣りの場所を決めたらそこに居座りますし、場所を決めたら気が緩んで服装は乱れますし、あとはヌカカは小さいので、袖や裾からでも入り込んでブスブス刺していくので、複数に何か所もやられやすいです」【閲覧注意!画像⑥】

【画像⑥】ヌカカは服の隙間にも入り込む!

「ヌカカは、塩分が好きで、海辺、特に干拓事業のあった場所で発生するものもいるため、鳥取県では『カンタクムシ』とも呼ばれます」

「湿地、水はけの悪い草むら、水たまりの近くに出現し、特に朝夕に刺される被害が増えます」

「ヌカカはまるで米ぬかのように小さな虫、という意味で、大きさは1〜2mmと超小型」

「気づかないうちに服の隙間や露出部に入り込み、鋭い口で皮膚を刺していき、にじみ出た血を舐めます」

「ヌカカも、その時血が固まったり、痛みを出したりしないような麻酔成分のような唾液を傷口に擦りつけます」

「主な症状としては、こちらも刺された数時間〜半日後に強いかゆみと赤みが発生します。蚊に刺されたような状態のひどい状態、という感じです」

「この痒さが本当にたまらないので、かき壊しやすく、しこり化や傷口の細菌感染に注意が必要です」

▼見分け方③ 海などに行ったか 強烈なかゆみがあるか

【画像⑦】約2週間後 かきこわしたら長引きます(同僚記者)

咬まれた瞬間に痛みがあったら「吸血アブ」

(東洋産業 大野竜徳さん)
「他の吸血生物と比べると、「こっそり気づかないうちに」とか、「麻酔作用のある唾液が」ということはなく、咬まれた瞬間に思わず『痛い!』という声が出るような乱暴な吸血をするのは、吸血アブです」

「ウシアブやアカウシアブ(牛や馬などの家畜のほうが好きなようです)、イヨシロオビアブ、キンイロアブ、ゴマフアブ(これらは主にヒトを狙ってきます)などのいろいろな種類がいます」

「吸血アブの大きさは15〜30mmと、ほかの生き物よりは大きめです。山道、川沿い、草原、牧場周辺に出現します」【閲覧注意!画像⑧】

【画像⑧】ウシアブ

「ブーンという音がするので、簡単に気づきそうですが、意外と気づかないことも多く、背後から素早く近づいてきて、露出した皮膚に乱暴にナイフの刃先のような口でざっくり切りつけてきて、そこからにじんだ血を舐めていきます」

「すぐに気づけば傷口は咬まれたところに血が滲みます。忍者のように気づかれないようにきて気づかれないように仕事を終えているほかの生き物と違って、背後からバッサリくる辻斬りですね」

「特に登山の休憩時や釣りなど、じっとしているときが狙われやすいですが、アブの執念はなかなかのもの。一度獲物と定めたら長い距離追いかけてきますし、まとわりついてきます」

「車の周りで準備や片付け、着替えをしていたら集ってくることもありますし、車の中に逃げ込んでも、私たちのにおいや車の排気ガスや呼吸の二酸化炭素に反応するので、フロントガラスやサイドウインドウに何匹も取り付いて何とか入ろうと狙っている姿は恐怖です」

「刺された瞬間の痛みだけでなく、その後激しいかゆみ、腫れ、熱感が出ることもありますし、人によってはアレルギー反応で水ぶくれができることもあります」

▼見分け方④ 咬まれた瞬間に痛みがあったか 山道、牧場などにいたか

「被害にあわないため」にはどうすればよい?

被害にあわないためにどうしたらよいのか、東洋産業の大野竜徳さんに教えてもらいました。

・まずは何よりも情報収集
「ヌカカ」や「アブ」などが大量発生しやすいところは、インターネットで検索すると自治体や先人たちの情報が出てきますので、心と体の準備がしやすいです。

・長袖長ズボン+首元や顔周りをガード
できれば「明るい色の服」で虫を視認しやすくするのもコツです。スポッとかぶって首から顔まで覆える日射除け+帽子から垂らす虫よけも便利です。

・靴下とズボンの隙間はイン&イン
裾を靴下の中に入れ、せめてアンダーウェアもパンツイン!動いても肌を露出させないようにしましょう。

・防虫スプレーはディートorイカリジン入りでしっかりと
忌避効果のある防虫スプレーを使うのがおススメです。注意事項もあるので、購入時に薬局の店員さんなどに確認しましょう。

塗り忘れがないように、体中にしっかりかけて塗り込むことが効果を上げるコツです。かけそこなったところは生き物が狙ってくるスポットになります。

ハーブやミントなどの防虫スプレーはかえって虫を引き寄せてしまうものもあるので、使い方には気をつけましょう。

・休憩はなるべく石やテーブルの上や開けて明るい場所、草むらや落ち葉の上に座るのはNG!
地面からやってくる虫は意外と多いですし、そのほかの生き物の危険もあります。開けた場所で休憩しましょう。

(東洋産業 大野竜徳さん)
「この時に服装と虫のとりつきがないかチェック、関節や首筋など、汗をかきやすいところには再度防虫スプレーを使うのもいいですね」

「私はふと座った時に、目の前にあった草にマダニが脚を振り上げてこっちを狙っているのが見えたり、まわりでヤマビルが体を振り上げて獲物を探しながらにじり寄ってくる姿を見たりしてゾッとしたことがあります」

では、「虫に刺されたら」どうすればいい?

ブトやヌカカであれば、まずは患部を拭いて、「抗ヒスタミン軟膏」が有効です。咬まれた場所はかゆいですが、かきむしらないようにしましょう。

無意識にかきむしらないようにあて布をし、症状が強ければ皮膚科での受診をお勧めします。

マダニは慣れていなければ無理に取らずすぐ病院へ!特にSFTSなどの感染症もこわいですし、自己除去は失敗した時には傷口をえぐり取る簡単な外科手術や傷の長期化の可能性もあります。

吸血アブは水で洗って冷やすことが一番です。腫れやかゆみがひどいときには皮膚科での受診をしましょう。

(東洋産業 大野竜徳さん)
「見えない吸血鬼は予防と意識で防ぎましょう!ひそかに吸血のチャンスをうかがうかくれんぼのプロな吸血生物たち」

「今回ご紹介をしていませんが、そのほかにも私たちにかみついたり刺してきたりする虫や生き物がいたり、植物でかぶれたり腫れたりケガをしたり、水の中にも吸血生物が潜んでいたりと自然の中には危険な生き物がまだまだ隠れています」

「刺された瞬間は無反応でも、後からかゆみや感染症のリスクが出てくるケースも少なくありません」

「姿の見えにくい生き物のことも事前にしっかり知っておくことが一番ですが、虫よけ+服装対策+チェックの習慣化が大切です。今年の夏も安全第一で自然を楽しみましょう!」

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