【シンガポール=竹之内秀介】アジア各国の防衛担当閣僚らが地域情勢を議論するアジア安全保障会議(シャングリラ対話)が30日、シンガポールで開幕した。6月1日までの会期中、中谷元・防衛相は米国やフランス、オーストラリアなどとの防衛相会談に臨む。
シャングリラ対話は約40カ国が参加し、台湾や東・南シナ海、北朝鮮などアジアの安全保障を巡る問題などについて議論する。中谷氏は5月31日に講演し、「自由で開かれたインド太平洋」の重要性を訴える。
日米防衛相会談では、自衛隊と米軍の指揮・統制枠組み向上を含む連携強化などについて確認する。日仏防衛相会談では、ウクライナ戦争停戦後、欧州主体で平和維持部隊を派遣するフランス主導の構想が話題に上る可能性がある。多国間の枠組みでの会談も調整する。
トランプ米政権の高関税政策で、東南アジア諸国では「米国離れが始まった」(日本政府関係者)との見方がある。東南アジアで米国の存在感が薄れれば、中国の影響力が浸透しかねない。日本としては米国をつなぎ留めつつ、多国間での防衛協力を深め、軍事的威圧を強める中国を牽制したい考えだ。
中国は昨年出席した董軍(とうぐん)国防相が、今回欠席した。欧米各国が南シナ海問題などで中国の行動を批判しており、非難の的になることを避けた可能性が指摘されている。6月3日に大統領選の投開票を迎える韓国も大臣級の派遣を見送った。