部員が中心になって運営している野球部。顧問不在の時間帯でも、部員同士で絶え間なく声をかけ合っていた=いずれも横浜市南区の横浜清陵高校で
「顧問の指導があって成り立つ」もの?
神奈川県立横浜清陵高校で5月に開かれた「部活動のこれからを考える会」と題した集会。生徒や教員、保護者ら約200人を前に、講師の鹿屋体育大の関朋昭教授(54)=スポーツ経営学=が「部活動は本来、生徒たちが自ら運営するもの」と強調した。
「部活動のこれからを考える会」で生徒らを前に講演する関朋昭さん(左)=横浜清陵高校提供
「練習の日程を決めるのは誰か」「練習内容を決めるのは誰か」「出場する大会を決めるのは誰か」といった約20項目の確認リストを使って、生徒たちが自主運営の度合いをチェック。「今まで、部活は顧問の先生の指示や指導があって成り立つものだと思っていた」「顧問の先生に頼りすぎず、自分たちでつくり上げていくのが本来の部活なんだと思った」などの感想が出た。
体操競技部の練習風景。部員同士で気付いた点を指摘し合いながら練習を進めていた(横浜清陵高校提供)
ダンス部 目標別に2グループで活動
そもそも部活動は、学習指導要領で「教育課程外」の学校教育活動とされ、生徒の自主的・自発的な参加が前提となる。教員が多忙な中、献身的に支えている実態があり、部活動の在り方は揺れている。
集会で吸収した内容をそれぞれの部に持ち帰り、部ごとの課題に落とし込んで部活運営の改善を進めた生徒たち。集会の約3週間後、各部の部長を務める生徒らが集まり、運営を改善した点や部員の意識の変化を報告しあった。
運営を改善した点や部員の意識の変化を報告しあった各部の部長ら
週3回活動していたダンス部は、もっとうまくなりたい部員と、塾やアルバイトと両立させたい部員の間に溝があったが、全員で話し合う機会を持ち、活動を2グループに分けることを決めた。前者の部員は週5日の活動で大会への出場を目指し、その他の部員は週3日の活動を維持し、学校行事での発表を目標にすることにした。
大会出場については、当初「今まで出ていなかったから」と消極的だった顧問の教員に対し、部員が具体的な大会名や出場希望者の人数を伝えて交渉。6月から外部コーチを招き、8月の大会に出場することを決めた。
部長の3年・西田恵果(けいか)さんは「今まで話し合いを避けていたが、自分の気持ちも含め、初めて話した。大会に出ない部員も、出場者を応援すると言ってくれて、良い方向に進んだ」と振り返る。
サッカー部 部員が練習メニュー考案
サッカー部は、顧問の教員が決めていた練習メニューを部員が組むようにした。部長の3年・岩村侑樹さんは「練習内容が自分たちに合っているのか疑問に感じることもあった。今は、こういう課題があるからこの練習をする、と意識して取り組めるようになった」という。
サッカー部のミーティング。チームの課題について話し合い、部員たちが練習メニューを考えるようになったという
試合に出場する選手決めに部員が参加するようになったのも大きな変化だ。「この選手とだとプレーしやすいので、一緒に(試合に)出してほしい」と直訴する部員も出てきた。岩村さんは「一人一人の意識が変わり、顧問の先生も親身になって受け止めてくれた」と手応えを感じている。
生徒に委ねたら…多様な解決策が生まれた
「生徒に委ねることで、教員からは出てこない解決方法も生まれた」と話す野原慎太郎教諭(左から2人目)
中心となって考える会を企画した教員の一人で、部活指導を担当する野原慎太郎教諭(41)=野球部監督=は「生徒に委ねることで、こんなに多様な解決策が生まれるとは。予想以上の結果に驚いている」。吹奏楽部顧問の山崎優香教諭(26)は「顧問はいずれ異動でいなくなる。生徒に運営する力をつけてほしいと任せてきたが、それが間違っていないと自信を持って進むきっかけをもらえた」と話す。
鹿屋体育大教授の関朋昭さん(本人提供)
前出の関教授は「生徒側にも教員側にも、部活動は先生が引っ張るべきものだという誤解があるのが現状。働き方改革を進める上で、部活動が学校のお荷物になってしまっている」と指摘。「大人が大会などの外部環境を、生徒が部活運営などの内部環境を考えるのが理想の姿。横浜清陵高のような取り組みが広がっていくといい」と話す。
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