柏木由紀、「こんなに長くAKB48にいるなんて、夢にも思っていなかった」17年間のアイドル生活に終止符

AKB48・柏木由紀が、4月30日に東京・AKB48劇場で卒業公演を行った。17年間のアイドル生活に終止符を打つ柏木のラストステージには、チケット争奪戦を制した250人のファンが駆け付けた。公演の様子をレポートする。

■柏木由紀 17年間の軌跡

2007年に15歳でAKB48の3期生としてデビューした柏木は、2009年に初代チームBのキャプテンに就任。2010年には派生ユニット「フレンチ・キス」を結成、2013年にはソロ歌手デビューを果たした。2015年リリースの39thシングル「Green Flash」では、小嶋陽菜との“Wセンター”として初めてシングル表題曲のセンターを務めるなど、延べ52作で選抜メンバーに入っている。

グループの一大イベントだった「AKB48選抜総選挙」では、参加した回の全てで9位以内にランクインし、2011年には3位、2015年には自己最高の2位に輝いた。また、2014年から約1年間NMB48を兼任し、2015年から2019年まではNGT48を兼任。「6233日」というAKB48グループ歴代最長の在籍日数を誇り、常に最前線でグループ全体を牽引してきた。

3月16日、神奈川・ぴあアリーナMMで行った卒業コンサートには、大勢のOGメンバーもサプライズで駆けつけ、17年間にわたるアイドル人生の全てが詰まった充実のコンサートとなった。そして、今回のAKB48劇場での卒業公演をもって、17年間のAKB48人生に終止符を打ち、新たなステージへと進んでいく。

■「私が“レジェンド”です!」と高らかに宣言

“AKB48 柏木由紀”の最後のステージを見届けようと、劇場に集まった250人の大声援に包まれる中、ライブは初の単独センターを務める卒業シングル「カラコンウインク」で幕開け。さらに、自身も選抜入りを果たしたAKB48の代表曲「言い訳Maybe」、チームBの代表曲であり、劇場公演でセンターを務めていた楽曲「シアターの女神」でオープニングを飾り、早くも場内の一体感を高めた。

冒頭のMCでは、柏木が「みなさんが“この後持つのか?”というくらいの熱量のコールをかけてくださるんですけど、今日は17年間のAKB48最後の日なので、みなさんの目に焼きついてずっと忘れないようなパフォーマンスをお届けしたいです!」とあいさつ。

また、“柏木由紀を一言で表すと?”をテーマにトークが繰り広げられ、柏木は自分自身について「言っちゃうよ?私が“レジェンド”です!」と宣言。「さすがにAKB48に17年、32歳までというこの記録は、そうそうとんでもない子が出てこない限りは抜かれないかなと思います!暫定AKB48の“レジェンド”として名前を残せたかなと思います」と胸を張った。

■「17年のアイドル人生が本当に素敵な形で幕を閉じれた」(柏木)

アンコールでは、柏木のAKB48人生を振り返る軌跡映像が流れ、ピンクの花が散りばめられた卒業ドレスに身を包んだ本人がステージに登場。自身のソロ曲である「夜風の仕業」をしっとりと歌い上げ、全員で「桜の花びらたち」を熱唱した。

卒業スピーチでは、「“今の大好きなみんなに見送ってほしいな”というのが最後に私が見つけた夢だったから、それが今日叶いました。最後にみんなに“AKB48にいてくれてありがとう”って言ってもらえて、私の17年のアイドル人生が本当に素敵な形で幕を閉じれたなとファンのみなさんとメンバーに感謝しています。今のAKB48で卒業できて本当に幸せだったなと思います!」と語った。

さらに「これからもファンの方がいてくれる限り歌って踊ってステージに立ち続けて、何年か経った後に“やっぱり柏木由紀ってアイドルだったね”って言ってもらえるような活動をしていきたいなと思いますので、これからもアイドル活動を見守ってほしいですし、これからのAKB48を温かく見守っていただけたらなと思います。17年間、本当に本当に温かい声援をありがとうございました!本当に楽しかったです!!」と目を潤ませながら感謝を伝えた。

柏木は、「17年間秋元先生が見てくれてたんだなって思いますし、私が一番大事にしていた“アイドルになれたことを幸せに思ったり、ファンに感謝すること”が先生にも伝わったのが分かって、改めて17年間を肯定してもらえてうれしかったです」と顔をほころばせた。

■“バルコニーでのあいさつ”で締めくくった「柏木由紀 卒業公演」

最後は、チームB初のオリジナル劇場公演の1曲目であり、チームBの代表曲である「初日」を披露。涙が止まらない後輩メンバーたちと一緒にお馴染みの円陣を行い、充実の表情を輝かせながらパフォーマンスを届けると、ファンもこの日1番の大コールで応えた。

エンディングでは、場内のファンからサプライズでメッセージボードが掲げられると、柏木は感極まった様子で「最後の最後まで愛を伝えてくれてありがとうございます!」とメッセージを送る。駆け抜けてきた17年間を労う温かい拍手に包まれながら、卒業公演は幕を閉じた。

また、卒業公演後には、劇場の入ったビルのバルコニーからファンへ最後のあいさつを行った。2017年12月26日の「渡辺麻友 卒業公演」以来の実施となったバルコニーでのあいさつ。

駆けつけた大勢のファンに向けて、「今まで先輩や同期が卒業するときにここであいさつするのを見ていて、自分が卒業する時にこれってできるのかなと思ってたんですけど、最後ここからみなさんにごあいさつできて、もう本当の本当に思い残すことはないです!今この瞬間を含めて17年間毎日、みなさんのおかげで楽しいアイドル人生を送れました!本当にありがとうございましたー!」と、最後の別れを告げた。

■「こんなに長くAKB48にいるなんて、夢にも思っていなかった」柏木由紀コメント

卒業コンサートが1カ月以上前にあって、そこでもいっぱいお話したので、その時はいっぱい言いたいこと考えてきたんですけど、今日は本当に最後ですし、本当にAKB48が大好きな方、私のことを応援してくださる方が来てるかなと思ったので、その場で思ったことを言おうと思って来たんですけど…ちょっと実感湧いてないなというのが率直な気持ちです。

このステージに立つと、初めて(このステージに)立った日のことを今でもすごく思い出すんですよ。私はアイドルがすごい好きで、アイドルになりたいと思ってAKB48を受けたのと、毎日ステージに立ちたいというのが私の夢だったので、その夢を叶えてくれるのがAKB48かなと思って受けたんです。

けど、まさか中学3年生当時の自分が、こんなに長くアイドルを続けていて、こんなに長くAKB48にいるなんて、本当に夢にも思ってなかったので、アイドルを好きで、アイドルになって本当にすごい楽しかったなぁって思います。卒業前にいろんなインタビューを受けたりとか「辛いことありましたか?」「いろんなAKB48を見てきたけどどうですか?」とか聞かれるんですけど、本当になくて。

毎日楽しかったですし、たしかに「思うようにいかないな」「自分は長くいてAKB48に何かできるのかな」と思うこともありました。けど、その時に支えてくれたのが、ファンのみなさんが「何があっても応援するよ」っていう愛情をたくさんくれたこととか、ここ数年よく言ってますけど、今のAKB48が本当に大好きで、2021年にAKB48の単独コンサートをプロデュースさせていただいたのが、今まで自分がAKB48のために何かやりたいと声を上げたことが初めてのことで。

それにメンバーのみんながすごくついてきてくれて、「あ、AKB48めっちゃ楽しいじゃん!私、これまでも楽しいと思ってたけど、みんなと何かに向かって一生懸命に頑張ったり、時にはちょっと頑張ってみんなを引っ張ってみたり、これが私のやりたかったことなんだな」ってすごい時間かかったんですけど3年くらい前に思えて。

何回か辞めた方がいいかなとか、同期とか先輩・後輩を見てそろそろかなと思ってきたけど「AKBにいて良かった。まだまだAKB48で頑張りたい」と思って、この数年間が正直1番楽しかったなと思います。

■「やり残したことは、本当にないんです」

いようと思えばもっとずっといれたと思うけど、「今の大好きなみんなに見送ってほしいな」というのが最後に私が見つけた夢だったから、それが今日叶いました。そして最近知ってくださった方も、本当に昔からずっと応援してくださる方も、こうやって「卒業おめでとう」「AKB48に長くいてくれてありがとう」とまさかこんなに言ってくれて…。

自分がアイドル好きでやってるだけだと思ってたから、最後にみんなに「AKB48にいてくれてありがとう」って言ってもらえて、私の17年のアイドル人生が本当に素敵な形で幕を閉じれたなと、ファンのみなさんとメンバーに感謝しています。

やり残したことは本当にないし、いろんな楽しいことがあった中でも、ここ最近が1番楽しかったです。今のAKB48で卒業できて本当によかったなって、幸せだったなと思います。

17年間、AKB48やってアイドルやって、やっぱりアイドルが好きだなって思うことができたので、これからも真っさらになりますけど、ファンの方がいてくれる限り歌って踊ってステージに立ち続けて、何年か経った後に「やっぱり柏木由紀ってアイドルだったね」って言ってもらえるような活動をしていきたいなと思いますので、これからもアイドル活動を見守ってほしいですし、これからのAKB48を温かく見守っていただけたらなと思います。

17年間、みなさん本当に本当に温かい声援をありがとうございました!本当に楽しかったです!!

■「柏木由紀は“連続ドラマ”なんだ。ずっと見続けないと、わからない。」秋元康コメント

柏木、結婚、おめでとう。あっ、間違った。卒業、おめでとう。色々、お祝いメッセージを頼まれるので、混乱してしまった。すまん。

思い起こせば、17年前…AKB48の3期生オーディション、おや、あの頃は、“3期生”なんて呼び方はしなかったなあ。何しろ、AKB48を作った当初は、毎日2公演、土日は3公演して、これは、1チームだけじゃ足りないと“チームK”を作り、それでも足りないということで、“チームB”のオーディションに来てくれたのが君でした。

開店早々のめっちゃ忙しいスーパーの求人広告に応募してくれて、今日まで頑張ってくれたベテランさんみたいな…。でも、君はすごい。決して恵まれたポジションじゃなくても、愚痴を言うこともなく、腐ることもなく、いつも笑顔で頑張ってた。

みんな、なんでだと思う?それが「アイドル」だから。

柏木はね、ポジションや歌割りや、ミュージックビデオのカット割に文句を言う前に、まず、「この場にいさせてくれてありがとうございます」って、ファンや神様に感謝していたんだよ。

後輩たちは、ずっとそんな柏木の背中を見て来た。ファンもね。だから、柏木のファンって、ずっと応援してくれる。柏木由紀は連続ドラマなんだ。単発のスペシャルドラマと違って、2007年からずっと、見続けないとわからない。

ファンのみなさん、後輩たち、これからも、見続けてください。柏木由紀の物語。柏木、いつまでも、お幸せに!じゃなくて、いつまでも、応援しています。

秋元康

■AKB48「柏木由紀 卒業公演」セットリスト
◇4月30日◇東京・AKB48劇場

出演メンバー
柏木由紀、秋山由奈、大盛真歩、小栗有以、倉野尾成美、佐藤綺星、下尾みう、田口愛佳、千葉恵里、長友彩海、平田侑希、水島美結、向井地美音、村山彩希、山内瑞葵、八木愛月

<セットリスト>

00.Overture
01.カラコンウインク
02.言い訳 Maybe
03.シアターの女神
04.涙の湘南
05.涙に沈む太陽
06.ジッパー
07.口移しのチョコレート
08.遠距離ポスター
09てもでもの涙
10.Two years later
11.フライングゲット
12.Virgin love
13.オネストマン
14.Green Flash
〜アンコール〜
EN1.夜風の仕業
EN2. 桜の花びらたち
EN3.初日

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