配合コンサルタントとして活躍する坂上明大氏が重賞の血統傾向を徹底分析する当コーナー。出走予定馬の適性を査定し、好走馬をあぶり出します。今週は朝日杯フューチュリティステークスに出走を予定している全馬をチェック!
【評価は★5つが満点】
※適性評価=血統を中心に馬体や走法などから今回の条件との適性マッチ度を評価
※素質評価=血統、馬体、走法などから素質の高さを相対的に評価
<朝日杯FSの血統傾向>
阪神JFと同じく京都芝1600メートルで行われる2024年朝日杯FS。コース適性よりも早熟性が重要な2歳戦だけに、デインヒルを筆頭に早熟性とスピードに優れた血統馬に注目の一戦です。ただ、今の京都は馬場が荒れ気味で、阪神JFでは前走で芝1800メートルを使っていた3頭が上位を独占する結果に。例年よりもスタミナが求められる一戦となりそうです。
アドマイヤズーム
母ダイワズームは芝1800〜2000メートルで4勝を挙げていますが、産駒はダートの長丁場で活躍。モーリス産駒の本馬は手先が軽く芝で勝ち上がりましたが、Amerigo≒Hornbeam増幅型の配合形からもワンペースな持続力勝負が得意なタイプです。2歳戦向きの早熟性に優れた血統ではないだけに、本格化は3歳秋以降ではないでしょうか。
適性評価:★★★★
素質評価:★★★
アルテヴェローチェ
母母クルソラはアルゼンチンの芝2000メートルGⅠを2勝した名牝で、繁殖牝馬としてもピオネロ、クルミナル、セレシオンといった重賞好走馬を輩出。本馬の母クルミネイトは勝ち星を挙げられませんでしたが、同馬はクルミナルの全妹であり、初子の本馬はモーリス産駒の比較的小柄な牡馬です。Lyphardの5×5・5譲りの機動力が持ち味で、前々で運べれば舞台を選ばずに堅実な活躍を見せてくれるでしょう。ただ、晩成傾向の強いモーリス産駒でもあるだけに、本格化は古馬になってからではないでしょうか。
適性評価:★★★
素質評価:★★★★★
アルレッキーノ
母にチェッキーノ(2016年オークス2着)、半兄にノッキングポイント(23年新潟記念)、半姉にチェルヴィニア(24年オークス&秋華賞)がいる超良血馬。ブリックスアンドモルタルとの組み合わせもバランスが良く、馬力と機動力に優れた配合形から将来的には小回りコースの芝中距離戦がベストでしょう。反対に現状は前走のようなハイペース戦では脚がたまりづらいタイプ。スローペース戦での巻き返しに期待です。
適性評価:★★★★
素質評価:★★★★
エイシンワンド
母母タイキトゥインクルは02年マーメイドS3着馬で、母エイシンフェアリーは芝1200メートルで2勝。ディスクリートキャット産駒の本馬はサンデーサイレンスの血を1本も持たず、In Realityの5×5を持つことからも距離は1600メートルがギリギリといった印象です。ただ、手先の強さから荒れ馬場は大歓迎です。
適性評価:★★★
素質評価:★★★★
エルムラント
母エクシードリミッツは芝1200メートル以下で3勝を挙げたデインヒル系Exceed And Excel産駒のスプリンター。フィエールマン産駒の本馬も筋肉質な馬体を有し、距離は1600メートル前後がベターでしょう。相手関係は一気に強化されますが、ハイペースの芝2000メートル戦からの条件替わりは大幅なプラス材料となりそうです。
適性評価:★★★★★
素質評価:★★★
クラスペディア
母母オンブルリジェールは芝2100メートルの仏GⅢウイナーで、母ウンベラータの全姉ジェルミナルは桜花賞とオークスでともに3着と好走した活躍馬。ミスターメロディ産駒の本馬は父の子らしいスピード馬で、距離は1400メートルまでがベターでしょう。
適性評価:★★
素質評価:★★★★
コスモストーム
5代母Great Lady M.にさかのぼるスピード牝系に属し、母母スティールパスは12年スパーキングレディーC勝ち馬。近親にはダート馬が多い一族ですが、デクラレーションオブウォー産駒の本馬はつなぎが柔軟で芝競馬にも対応できそうです。上がりのかかる競馬が理想。
適性評価:★★★
素質評価:★★★
ダイシンラー
サンデーサイレンスの3×4やDevil's Bagの5×3などHalo血脈を濃密に詰め込んだ配合形。インブリードがきついだけに折り合い面には要注意。今回もコースや相手関係よりもまずは自分との戦いになりそうです。
適性評価:★★★★
素質評価:★★★
タイセイカレント
3代母Beauty Is Truthは3頭のGⅠ馬を出した名繁殖牝馬で、母母Fire Lilyも2〜3歳時に愛GⅢを3勝。母アイリッシュシーは0勝馬ですが、Galileo×Dansili×Pivotalという欧州の主流血統馬で、繁殖牝馬としては地方交流重賞常連のキャリックアリードなどを出しています。モーリス産駒の本馬はSadler's Wells≒Nureyevの4×3・6などを持つ底力に優れた配合形で、よどみない流れになりやすい中山芝1600メートルがベスト条件ではないでしょうか。
適性評価:★★★★
素質評価:★★★★
テイクイットオール
母母Mothは13年英1000ギニー3着馬。キズナ産駒の本馬はLyphardの5×5などFair Trial血脈を豊富に併せ持つ機動力型で、内回りの中距離戦がベスト条件ではないでしょうか。前走馬体重444キロと比較的小柄な馬体でもあるだけに、今回は1600メートルへの距離短縮が課題となりそうです。
適性評価:★★★
素質評価:★★★
ドラゴンブースト
母トーコーディオーネはIn Realityの5・4×4・5を持つスピード血統。スクリーンヒーロー産駒の本馬は中距離までもちそうですが、小回りコースで先行力を生かす競馬がベストでしょう。かき込みの強いフットワークから道悪馬場も合いそうです。
適性評価:★★★
素質評価:★★★
トータルクラリティ
母母スルーレートは05年フラワーC2着馬で、母ビットレートは芝1200〜1400メートルで2勝。バゴ産駒の本馬もスルーオール牝系らしい背中の長い持続力タイプで、中距離戦で息の長い末脚を発揮する形がベストではないでしょうか。また、晩成傾向の強い血統でもあるだけに、本格化は3歳秋以降となりそうです。ただ、今の荒れた馬場は得意なクチでしょう。
適性評価:★★★★
素質評価:★★★★★
ニタモノドウシ
母ジェラスガールは14年皐月賞馬イスラボニータの半姉で、ディーマジェスティ産駒の本馬もCozzene譲りの柔軟なフットワークで走ります。イスラボニータ産駒が京都芝外1600メートルでの成績が非常に良いことを考慮すると、本馬にもこの舞台は合いそうで、ハイペースになれば父譲りの底力も生きてきそうです。
適性評価:★★★★
素質評価:★★★★
パンジャタワー
3代母ソニンクにさかのぼる名牝系に属し、母クラークスデールは2009年日本ダービー馬ロジユニヴァースの3/4同血の妹。母自身は不出走馬ですが、Machiavellianの3×3を中心にスピード血脈を豊富に併せ持つ配合形で、タワーオブロンドン産駒の本馬もゆくゆくは短距離路線が主戦場となりそうです。ただ、2歳時であれば1600メートルも守備範囲で、前走馬体重480キロの筋肉質な馬体も大きな強みとなりそうです。
適性評価:★★★★
素質評価:★★★★
ミュージアムマイル
4代母ハッピートレイルズにさかのぼる名牝系に属し、母ミュージアムヒルは芝1600メートルで3勝。キングカメハメハ父系×ハッピートレイルズ牝系にはコディーノ=チェッキーノを筆頭に多くの活躍馬が出ており、幅広い舞台で活躍できる優等生タイプが多い点も同配合の特徴です。距離は中距離がベストですが、素質はメンバー中屈指の一頭ではないでしょうか。
適性評価:★★★★
素質評価:★★★★★
ランスオブカオス
母ハイドランがHaloの4×4、シルバーステート産駒の本馬がHaloの4×5・5を持つ反面、Silver HawkやSadler's Wells≒Nureyevなど重厚な血も併せ持つ剛柔のバランスが取れた配合形。前走馬体重502キロと馬格にも恵まれ、1戦1勝馬ではありますが、馬体の完成度はメンバー中屈指ではないでしょうか。距離は1600メートル前後がベター。
適性評価:★★★★★
素質評価:★★★
※東スポ競馬で解説していないレースや出走馬についてはnote()で公開中https://note.com/keibaotaku
著者:坂上 明大