日本ダービー2025
[GⅠ日本ダービー=2025年6月1日(日曜)3歳牡牝、東京競馬場、芝2400メートル]
配合コンサルタントとして活躍する坂上明大氏が重賞の血統傾向を徹底分析する当コーナー。出走予定馬の適性を査定し、好走馬をあぶり出します。今週は日本ダービーに出走を予定している全馬をチェック!
【評価は★5つが満点】
※適性評価=血統を中心に馬体や走法などから今回の条件との適性マッチ度を評価
※能力評価=血統、馬体、走法などから現時点での能力値を相対的に評価
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<日本ダービーの血統傾向>
日本ダービーではサンデーサイレンス→ディープインパクトなどの主流血統が中心。特にSeattle SlewやSecretariat≒Sir Gaylordなどの柔軟性を強化する血を併せ持つ馬の活躍が目立ち、昨年も同血脈を複数本内包するダノンデサイルが9番人気の低評価を覆して栄冠を手にしています。また、サンデーサイレンスのひ孫世代では欧州血統からのスタミナ強化も重要で、特にフランス系のスタミナと瞬発力に優れた血には要注目です。
エムズ
母ライフフォーセールはアルゼンチンのダート長距離GⅠ2勝馬で、本馬の半姉には2018年阪神JF優勝馬ダノンファンタジーなどがいます。ドゥラメンテ産駒の本馬はHyperion血脈を豊富に持つ配合形で、血統通りの小柄な馬体が特徴的。スタミナ面に優れ、さらに距離を延ばして良さが出るタイプでしょう。成長スピードは比較的遅めですが、その分秋以降の活躍には大いに期待したい素質馬です。
適性評価:★★★★
能力評価:★★★
エリキング
3代母User Friendlyは1992年英セントレジャーなど長距離GⅠを5勝した名牝。母ヤングスターはShirley Heightsの4×4を持つ瞬発力型で、芝2200メートルの豪GⅠ・BRCクイーンズランドオークスでは血統通りの末脚を披露して差し切り勝ちを決めています。キズナ産駒の本馬もトモの薄い末脚強化型で、大トビのフットワークからも直線の長い芝中長距離戦が得意条件。骨折前には皐月賞4着馬ジョバンニを完封しており、能力面でも適性面でもメンバー中上位の評価を与えたい素質馬です。
適性評価:★★★★★
能力評価:★★★★★
カラマティアノス
母母バラダセールは2011年アルゼンチン(亜)1000ギニー、亜オークスの牝馬2冠を制した名牝であり、母としても2020年菊花賞3着馬サトノフラッグや2021年桜花賞2着馬サトノレイナスなどデビュー馬7/8頭が勝ち上がりを決めている優秀な繁殖牝馬。母ダンサールも芝2000メートルで3勝を挙げ、レイデオロとの間に生まれた本馬も剛柔バランスの取れたバランス型に出ています。ただ、レイデオロ×ハーツクライの晩成血統ではあり、本当に良くなるのは秋以降ではないでしょうか。
適性評価:★★★★
能力評価:★★★
クロワデュノール
母ライジングクロスは2006年英オークス2着、愛オークス3着の活躍馬。Bustedの5×5やSir Ivorの6×5、Princely Giftの6×6などを持つ本馬は血統通りのスレンダーな馬体で、頭の高い走りからも将来的には父キタサンブラックと同じようなカテゴリーで強い姿を見せてくれるのではないでしょうか。機動力に優れたFair Trial血脈を豊富に併せ持ち、舞台を選ばず安定したパフォーマンスを発揮できる点が最大の強み。素質面でも世代最上位級の実力を持っていることは疑いようがなく、馬券圏内確率は最も高い馬ではないでしょうか。
適性評価:★★★★
能力評価:★★★★★
サトノシャイニング
母スウィーティーガールは2歳芝1600メートルの亜GⅠ勝ち馬で、ディープインパクトと同じHalo≒Sir Ivorの相似クロスを持つ点が特徴的。キズナ産駒の本馬はディープインパクトの瞬発力源とStorm Catのスピード源を強化した配合形で、高速馬場の2000メートル前後が主戦場ではないでしょうか。早熟性に優れ、現時点での完成度はメンバー中屈指。晩成かつ馬力型の馬が多い今年の登録馬の中では日本ダービー適性を高く評価できる一頭です。
適性評価:★★★★
能力評価:★★★★★
ショウヘイ
母母ミュージカルウェイは2007年香港C3着など芝中距離路線で活躍し、繁殖牝馬としても2冠牝馬ミッキークイーン(2015年オークス、秋華賞)を出しました。本馬の母オーロトラジェは未勝利馬ですが、サートゥルナーリア産駒の本馬は父の産駒らしい柔軟なフットワークで京都新聞杯を制しています。サンデーサイレンスの4×4とNureyev≒Sadler's Wellsの6・4×5を軸とした日欧増幅型の配合形で、スローペースの中長距離戦が適条件。父の仔らしい繊細さが課題ではありますが、脚がたまった時の爆発力は日本ダービーの舞台でも楽しみです。
適性評価:★★★★★
能力評価:★★★
ジョバンニ
母ベアフットレディは2011年コロネーションS3着馬で、本馬の半姉には2024年チューリップ賞2着馬セキトバイーストがいます。エピファネイア産駒の本馬はRobertoの4×6などを持つ立ち肩のピッチ走法で、内回りの中長距離戦で機動力を生かす競馬がベストでしょう。2400メートルへの距離延長はプラス材料ですが、東京の長い直線での末脚勝負では少々分が悪いでしょうか。
適性評価:★★★
能力評価:★★★★
トッピボーン
母チカノワールはダート1400メートルで1勝、芝2000メートルで2勝を挙げたハービンジャー産駒。欧州血脈主体の血統構成で、マインドユアビスケッツ産駒の半兄も芝中距離路線で活躍しています。リアルスティール産駒の本馬はMonevassia=Kingmamboの3×4を中心に底力と馬力を強化した配合形。2000メートル前後のハイペース戦がベストで、東京芝2400メートルでの瞬発力勝負では少々分が悪いでしょうか。
適性評価:★★
能力評価:★★★
ドラゴンブースト
母トーコーディオーネはIn Realityの5・4×4・5を持つスピード血統。スクリーンヒーロー産駒の本馬も2000メートルがギリギリといった印象で、現時点での完成度も決して高くはありません。かき込みの強いフットワークから力のいる馬場が合いそうで、今回は馬場や展開を味方につけたいところです。
適性評価:★★
能力評価:★★
ニシノエージェント
3代母マルバイユは芝1600メートルの仏GⅠ勝ち馬で、繫殖牝馬としては2011年桜花賞馬マルセリーナや2014年マイルCS3着馬グランデッツァなどを出しています。イスラボニータ産駒の本馬はサンデーサイレンスの3×4やCaroの4×7の影響で父よりも中距離寄りにシフトしており、距離は1600〜2000メートルがベター。フットワークには癖がなく、コースの得手不得手も少ないでしょう。
適性評価:★★
能力評価:★★
ファイアンクランツ
母カラフルブラッサムの半兄にはピイラニハイウェイ(2012年佐賀記念、浦和記念)がおり、母自身も芝1800〜2000メートルで3勝を挙げた中距離馬。ドゥラメンテ産駒の本馬はサンデーサイレンスの3×3やトニービンの4×4が特徴的な晩成タイプで、本格化はまだまだ先でしょう。ただその分、既に重賞で結果を出していることは素質の証明でもあり、秋以降の活躍には大いに期待したい素質馬です。
適性評価:★★★★★
能力評価:★★★
ファウストラーゼン
母ペイシャフェリスは2014年アネモネSなど芝1400〜1600メートルで4勝。モズアスコット産駒の本馬はSadler's Wellsの4×5やDanzigの5×5で母の特徴を継続しており、機動力と底力が生きやすい小回りのマイル〜中距離戦がピッタリの舞台です。また、蹄底が厚いため道悪馬場も得意なクチ。東京芝2400メートルへのコース替わりは割り引きが必要でしょう。
適性評価:★★
能力評価:★★
ファンダム
母母グレイトフィーヴァーは芝12Fの米GⅡ3着馬で、フランス牝系らしい豊富なスタミナと瞬発力が魅力。サートゥルナーリア産駒の本馬はサンデーサイレンスの4×4やMill Reefの7×5などから中距離向きの瞬発力を強化した配合形で、直線での爆発力は世代屈指のモノを持っています。父の仔らしい繊細さから2400メートルへの大幅距離延長が課題となりますが、脚がたまった時の末脚には今回も要注目の一頭です。
適性評価:★★★★★
能力評価:★★★★★
ホウオウアートマン
母スウィートリーズンは2014年エイコーンSなど北米GⅠ3勝の名牝で、本馬の半兄には2023年目黒記念2着馬ディアスティマがいます。Street Cry持ちのドゥラメンテ産駒には2024年兵庫女王盃3着馬サーマルソアリングもおり、手先が強い本馬も馬場を問わずマルチな活躍に期待が持てます。芝なら馬力と機動力が生きる小回り中距離戦がベターではないでしょうか。
適性評価:★★
能力評価:★★★
マスカレードボール
母母ビハインドザマスクは芝1200〜1600メートル重賞3勝馬。母マスクオフはAlzao≒ダンシングブレーヴの3×3を持つ末脚強化型のディープインパクト産駒で、本馬の3/4同血の姉には秋華賞2着馬マスクトディーヴァ(2023年ローズS、2024年阪神牝馬S)がいます。本馬はドゥラメンテ×ディープインパクトという主流配合馬で、サンデーサイレンスの3×3から受け継ぐ末脚力と気難しさが特徴的。リズム良く運べるかが最大のポイントで、末脚を生かしやすい東京替わりは間違いなくプラス材料でしょう。姉同様に本当に良くなるのは秋以降ですが、スムーズに運べた時の爆発力には要注目の一頭です。
適性評価:★★★★★
能力評価:★★★★★
ミュージアムマイル
4代母ハッピートレイルズにさかのぼる名牝系に属し、母ミュージアムヒルは芝1600メートルで3勝。初仔の本馬はリオンディーズを父に配しましたが、キングカメハメハ父系×ハッピートレイルズ牝系にはコディーノ=チェッキーノを筆頭に多くの活躍馬が出ており、幅広い舞台で活躍できる優等生タイプが多い点も同配合の特徴です。特にFair Trial増幅型の配合形とあって小回り中距離戦でのパフォーマンスは素晴らしく、前走の皐月賞ではモレイラ騎手を背にビッグタイトルを獲得。日本ダービーでも大きくパフォーマンスを下げるタイプではありませんが、皐月賞以上の走りは期待するのは酷ではないでしょうか。
適性評価:★★★
能力評価:★★★★★
リラエンブレム
母母Again(2008年モイグレアスタッドS、2009年愛1000ギニー)はアイルランドのGⅠ2勝馬、母デルフィニアⅡは芝2800メートルの仏GⅠロワイヤリュー賞2着などがある長距離馬。キズナ産駒の本馬も芝中長距離向きで、Fair Trial増幅型の配合形から小回り適性も高く評価できます。将来的には内回りの中長距離戦がベスト条件となりそうで、東京芝2400メートルでは上がりのかかる馬場や展開が理想ではないでしょうか。
適性評価:★★★
能力評価:★★★★
レディネス
3代母Golden Opinionは1989年コロネーションS勝ち馬で、母リトルシャンブルズはDanzig、Shamardalとスピード血脈を掛け合わせた配合形。本馬は父にスワーヴリチャードを配しましたが、ShamardalとDanzigを併せ持つハーツクライ系産駒にはウーマンズハート(2019年新潟2歳S)がおり、マイル〜中距離での活躍に期待したい好配合馬です。手先が強く、ダート適性も高いのではないでしょうか。
適性評価:★★★
能力評価:★★
※解説していないレースや出走馬についてはnote()で公開中https://note.com/keibaotaku
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著者:坂上 明大