交通違反をすると反則金の支払いとは別に「違反点数」が加算されます。たとえば信号無視は2点、携帯電話使用等(ながらスマホ)は3点となっています。この点数の合計が6点を越えると一定期間の免許停止処分となります。ただし、点数はずっと積み上がっていくのではなく、一定期間でリセットされます。ただしこの辺りはやや複雑なルールとなっているようなので、ここで整理しておきましょう。

●違反点数4つの分類

 違反点数は大きく4種類に分けられています。一つ目は「一般違反行為」とされるもので「信号無視」「一時停止違反」「駐停車違反」「進路変更禁止違反」などです。これらの違反行為はそれぞれ1点から25点までの点数が決められています。二つ目はより危険性が重大な「特定違反行為」とされるものです。これは「酒酔い運転」や「危険運転致死傷」といった行為です。たとえば「酒酔い運転」は基礎点数35点となっています。

 三つ目は「交通事故を起こした場合の付加点数」です。これは負傷者の治療にかかる期間によって点数が2点から20点まで変化します。たとえば15日以上30日未満の負傷で、「違反行為をしたものの不注意によって発生した」と認められる場合6点が加算されます。もしこれが「人の死亡に関わる事故」だった場合、違反点数は20点です。四つ目はそれぞれ一律で付加される「ひき逃げおよび当て逃げ事故の場合の付加点数」です。「ひき逃げ(救護措置を怠った場合)」の場合は35点、「あて逃げ事故(物件事故を起こし措置を怠った場合)」は5点が付加されます。

●3年でリセットされる

 基本的にはこれらの点数が加算される期間は3年間です。ただし、ここには例外がいくつかあります。まず、最後の交通違反から1年間以上、無事故・無違反だった場合には点数は累積されません。さらに2年以上無事故・無違反で過ごし、その後3点以下の軽微な違反となったときには、そこから3ヶ月以上を無事故・無違反で過ごすことができれば、点数は累計されません。

 つまり、無事故・無違反を継続することにはそれなりの優遇措置があります。ただし点数はリセットされていても、「違反回数」としてはカウントされています。ゴールド免許は「5年間の無事故・無違反」が条件なので、この期間に1度でも違反となっていれば、点数は加算されていなくてもゴールド免許とはなりません。

●6点で免許停止30日(前歴がない場合)

 3年間のうち累計6点となってしまうと免許停止になりますが、累計点数の度合いによって停止期間や取消の期間は前歴がない場合は以下のように変化します。

違反点数6〜8点 免許停止30日
違反点数9〜11点 免許停止60日
違反点数12〜14点 免許停止90日
違反点数15点以上 免許取消1年から10年

 免許停止あけは点数がリセットされます。ただし、過去に免許停止処分や免許取消処分となった前歴(行政処分前歴)がある人の場合、その後の免許停止に至る状況はシビアになります。たとえば前歴が1回の人は4点から5点で免許停止60日間、前歴が2回ある人は、2点で免許停止90日間となります。

 自身の正確な違反点数は「累積点数等証明書」で確認することができます。これは「免許試験場」で「経歴証明書申込用紙(書式は都道府県ごとに異なる)」に記入して申請するほか、警察署や交番でこの用紙を受け取って郵便局から申請することもできます。ただし1通670円の交付手数料と、所定の払込手数料がかかります。送られてくるまでには2週間程度かかるようです。また現在では申請アプリもあるようです。詳しくは「自動車安全運転センター」のサイトに「運転経歴に係る証明書」に関する記載があるので、確認してみましょう。

<参考>
交通違反の点数一覧表|警視庁
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/torishimari/gyosei/seido/tensu.html
行政処分基準点数|警視庁
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/torishimari/gyosei/seido/gyosei20.html
点数計算の原則|警視庁
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/torishimari/gyosei/seido/gyosei16.html
[Q]交通違反の点数制度について教えて|JAF
https://jaf.or.jp/common/kuruma-qa/category-accident/subcategory-traffic-violation/faq285
運転経歴に係る証明書|自動車安全運転センター
https://www.jsdc.or.jp/certificate/tabid/109/Default.aspx