コンビニエンスストアのローソンが公表した2020年の財務レポートによると、新型コロナ禍によってグループ全体の売上高は8.8%下がり、利益は56.8%下がったが、中国では感染の抑え込みに成功したため、業績は急速に回復し、2020年にはじめて中国で通年黒字を実現した。今後についてローソンの竹増貞信社長は、中国で宅配サービスを開始し、2025年までに店舗数を現在の3倍以上の1万店にする計画を発表するなど強気だ。

1996年に上海で中国1号店を開いたローソンは、これまで中国で3000店以上を出店しており、日本の3大コンビニチェーンのなかでは最も多いが、なかなか黒字化できていなかった。ローソンと同様、ファミリーマート、セブンーイレブンもこれまで中国事業全体の黒字化が実現できていない。ファミリーマートは上海エリア、セブンーイレブンは北京エリアでのみ黒字だ。

苦しんでいるのは日系コンビニだけではない。中国本土のコンビニチェーンも大半が赤字だ。なぜ中国でコンビニ事業は難航するのだろうか。

出店は簡単でも黒字化が困難

日系コンビニ大手にとって、コンビニを出店するための資金、技術、人材は十分にある。しかし、中国での運営のノウハウとなれば話は別だ。

コンビニは通常、粗利率40%強が損益分岐点となる。しかし中国では30%かそれ以下が多い。その要因として各種費用が高いことが挙げられる。

まずは店舗賃料だ。中国のコンビニ利用者の主力は若者で、若者の多いエリアに出店しなければ十分な客数が望めない。そうしたエリアは通常賃料が高いため、どうしてもコストが嵩む。次に、コンビニは日配食品(毎日店舗に配送される食品)、惣菜、自社製品などを大量に扱うため、それに合わせた店舗施設の改造や、サプライチェーンの構築にもコストがかかる。また、デリバリープラットフォームに登録している店舗なら、プラットフォームの利用料も支払わなければならない。

さらに、日本市場との大きな違いとして、中国のコンビニはチケットサービス、公共料金支払いなどの比重が非常に低いことが挙げられる。これらのサービスをより手軽に利用できるアプリがあるため、コンビニへ行く頻度がそもそも少ないのだ。中国人にとってのコンビニは、自宅周辺で朝食を購入したり、職場周辺でランチを購入したりするための店舗というイメージが強い。

地方市場での出店拡大へ

このように、コンビニ運営はコストのかかるものである。そのため、収益性を改善するには、直営ではなくフランチャイズ展開が望ましい。実際セブンーイレブンの日本国内店舗は92%がフランチャイズだ。上海エリアで2013年から黒字化できたファミリーマートも、加盟金の引き上げの貢献が大きかった。

そこで、コンビニ各社は加盟料やロイヤルティ収入を上げようと、地方都市での出店を増やそうとしている。ローソンは2020年から一部地域で中国国内の小売事業者と提携しはじめ、たとえば河北省の唐山市と保定市では、店舗運営を中国企業に委託し、ローソンがブランド使用権と技術を提供する形となっている。セブンーイレブンも2020年から長沙市、鄭州市などの二級、三級都市での出店を加速化させた。

中国ではコンビニは若者向けで、上質感のあるイメージがあるため、日系コンビニだけでなく、投資家の後押しを受けた国内企業の参入が相次いでいる。しかし、日系コンビニを見ればわかるように、出店できても黒字化は困難だ。どのように収益体制を構築するのかは、まだ明確な答えが見いだせない状況だ。

(翻訳・小六)