中国のスマートフォン・IoT機器大手シャオミ(Xiaomi)は14日、公式ブログで同社初のスマートグラス「Xiaomi Smart Glasses」を紹介した。

同製品はARM製のクアッドコアプロセッサー、バッテリー、タッチパネル、Wi-FiおよびBluetooth接続モジュールを搭載し、OSはAndroidを採用、総重量はわずか51gだ。眼鏡に画面を表示させるためMicroLEDやウェーブガイド技術を採用し、ゴマ粒ほどの大きさのMicroLEDディスプレイをフレーム部分に内蔵する。最新のウェーブガイド式レンズを通じて光線が無数の反射と拡散を繰り返し、人の目の前に到達する仕組みだ。

このスマートグラスは497のマイクロセンサーや通信モジュールを統合させ、単独で動作するスマート端末となっている。主な機能は五つ。通知、通話、地図ナビゲーション、撮影、音声翻訳だ。

宣伝画像によると、ナビゲーション機能では地図以外にも現在の時間や車速、予想到着時間・距離が表示される。スマートフォンやスマートウォッチのナビゲーション機能と比較すると、スマートグラスは安全性や利便性でより勝っている。自転車を日常的に利用するユーザーのの需要が見込めそうだ。その他の機能について詳細は触れられていない。

製品の宣伝動画からは問題点も見える。例えばディスプレイは右レンズにしか搭載されておらず、緑色の単色表示だという点だ。長時間使用するとユーザーは目に疲労を感じるだろう。また製品重量が51グラムという点から、搭載しているバッテリーは大きくはないはずで、連続使用時間の面でユーザーを満足させるのは難しそうだ。

最も重要なのは、シャオミの今回のスマートグラスがあくまでコンセプト段階の製品であるとはいえ、10年近く前にグーグルが発表した「Google Glass」の枠を超えられていないということだ。厳密にはゼロから生み出された製品ではなく、せいぜいGoogleが発表したスマートグラスの全面アップグレード止まりだ。

スマートグラスの普及はまだ先

グーグルはすでに2012 年に「Google Project Glass」を発表している。

これは着用可能なスマートフォンといったところだ。音声操作で写真撮影やメッセージ送信などの機能が使える。一見魅力的でユーザーの需要をおおむね満足させるようにみえるが、ディスプレイ技術が未熟なうえ1500ドル(約16万4000円)という価格を市場が受け入れるのは難しかった。スマートグラスというよりは、高価なおもちゃといったほうが正しいだろう。グーグルは、初代スマートグラスの販売を2015年に終了し、関連プロジェクトを凍結している。

それでもグーグルはスマートグラスの研究をあきらめたわけではなく、2019年に第二世代の製品を発表している。初代が一般消費者を対象としていたのとは異なり、外科医や技術者などのプロフェッショナルに向け、価格も999ドル(約11万4000円)に下げて発売した。しかし、エコシステムやアプリケーションが十分でないうえ、特殊機能は企業が自ら開発・カスタマイズせねばならず、個人ユーザーではスマートグラスの持つ実力の全てを体験できない、という欠点は初代製品と同様だった。

グーグル以外にもマイクロソフトやフェイスブックなどの企業が続々とスマートグラス市場に参入している。しかしいずれも企業向け市場留まりとなっており、消費者向け市場で実用価値を発揮できないという難所は越えられない。一般消費者が受け入れられるスマートグラスをつくれる企業は本当に現れないのだろうか?

アップルならば市場を変えられる可能性はあるかもしれない。同社が数年以内にスマートグラスを発表する可能性が業界内では予想されている。グラスを装着すれば映画や地図、その他のコンテンツが表示され、グラスを外せばこれらのAR機能はiPhoneで引き続き表示されるような製品が実現するかもしれない。

マイクロソフトやグーグルなどと比較してアップル最大の強みは充実したエコシステムだ。スマートグラスにもより多くの利用シナリオを編み出せるかもしれない。ユーザーはソフトウェアが充実した製品なら買うだろう。市場規模が拡大すれば開発コストは下がり、価格も徐々に下げられるという好循環が生まれる。
(翻訳・愛玉)