アリババ傘下の医療プラットフォーム「アリヘルス(阿里健康)」が11月24日、2022年3月期の中間決算を発表した。売上高は前年同期比30.7%増の93億6000万元(約1700億円)だった。前年同期の利益2億7900万元(約50億円)に対して、今期は2億3200万元(41億円)の損失となり、一転して赤字に転落した。

アリヘルスは赤字転落の原因として以下の4つを挙げている。1:一連の事業刷新に伴うリソース配分、2:医薬品サプライチェーンおよび医薬品販売事業の精細化、再診時の処方箋発行の利便性、処方薬の安全性などに対する継続的な開発資金の投入、3:ECサイト「天猫(Tmall)」の医薬品プラットフォームとアリヘルスの直営サイト「阿里健康大薬房」のブランディングへのさらなる投資、4:オンライン医薬品販売における市場シェアの拡大および処方薬事業の展開とそれに伴う投資による医薬品販売事業の利益率低下。

アリヘルスの主力事業には、医薬品販売の直営事業、医薬品ECプラットフォーム運営事業、ヘルスケアおよびデジタルサービス事業の3つがある。

医薬品販売の直営事業の売上高は34.5%増の約81億元(約1450億円)で、売上高全体の87%近くを占めた。アリヘルスブランドで販売している医薬品の売上高は全体の64%に達する。

処方薬事業の売上高は127.3%増加し、9月末時点でオンライン直営店の年間アクティブ・コンシューマーは9000万人に上った。

医薬品ECプラットフォーム運営事業には天猫の医薬品プラットフォームとニューリテールモデルが含まれており、売上高は9.2%増の約10億元(約180億円)だった。9月末時点でプラットフォームを利用している事業者は半年前から3000店増加して、2万5000店を超えた。

ヘルスケアおよびデジタルサービス事業にはオンライン診療、健康診断、ワクチン、PCR検査、口腔科、メンタルヘルスなどが含まれており、売上高は13.9%増の2億2800万元(約41億円)だった。

決算発表後、アリヘルスの株価は一時5%近く下げた。同社株は今年2月に最高値を記録してから下落が止まらず、9カ月間で67%以上も値を下げている。

2020年に中国政府がオンライン医療を推進する政策を打ち出したこともあり、アリヘルス株は通算154%以上も値上がりした。しかし最近になって国家衛生健康委員会は「インターネット診療監督管理細則(意見募集稿)」を発表し、規制強化に向けて動いている。

アリヘルスの決算発表当日、JPモルガン・チェースはアリヘルスの目標株価を69%引き下げて9香港ドル(約130円)とした。ワンストップ型の医薬品サービスプラットフォームに対する期待からアリヘルスのプレミアムが膨らんだとモルガン・チェースは分析、業界への優遇の度合いに変化が生じたことで、短期的にプレミアムが回復するとは考えられないとし、格付けを「中立」に引き下げた。
(翻訳・畠中裕子)