オープンメタバース形式のバーチャルヒューマンプラットフォーム「OPENVERSE」がこのほど、プレシリーズAで1億元(約20億円)以上を調達したことがわかった。OPENVERSEは今回のサッカーワールドカップ(W杯)開催前にも、サッカーやスポーツ分野のバーチャルヒューマンがバーチャルコミュニティでゲームをする動画を多く発表している。

OPENVERSEは今年7月、戦略的提携を結んでいるスペイン1部リーグのアトレティコ・マドリードとチーム選手の3Dバーチャルイメージを制作し、公式に発表した。その後、初の試みとしてサッカー選手の3Dアバターをサッカーファンとのリアルタイムコミュニケーションの場に取り入れた。ファンはメタバース空間でスター選手たちとサッカーをしたり交流したりすることができる。また、クラブの歴史紹介や、リアルタイムの試合情報などもメタバースコミュニティに取り入れた。

バーチャルコミュニティでデジタルコレクションを発表するヘッド・コーチのディエゴ・シメオネ

OPENVERSEはバーチャルヒューマンの制作と運営、デジタル資産の運用、バーチャルシーンの構築などメタバースに関わるフルスタックサービスを提供している。AIやリアルタイム3D、現実世界と仮想世界を融合させる「XR(クロスリアリティ)」などの技術を活用して、個人ユーザーへメタバースコミュニティのサービスを提供するほか、法人ユーザーにはメタバースを利用したマーケティングソリューションを提供している。

同社のコア事業は過去3年の間に、単体のバーチャルヒューマン制作・マーケティングから自社開発のバーチャルキャラクター「娃偶™」を中核とするオープンメタバースのバーチャルヒューマンプラットフォームへと進化した。今はメタバースでのソーシャル体験とゲームの可能性を探っているところだ。

OPENVERSEはアバターの分野でこれまでずっと最先端の取り組みを行ってきた。3年前には、バーチャルキャラクター応用技術ミドルオフィスを開発し、ユーザーのニーズと結び付けた。また、バーチャルヒューマンの制作、素材の生成、高精度レンダリングなど全ての技術プロセスを一本化した。この中には異なる精度のバーチャルヒューマンを効率的に導入してスピーディーなマッチングを行うことや、リアルタイムの音声転換システム、バーチャルヒューマンを動かすソフトウェア開発キット(SDK)、レンダリング調整システムなども含まれており、高品質で精度の高いコンテンツをユーザーに提供している。

また、同社は企業向けにトータルなメタバースマーケティングソリューションを提供している。ハイレベルなメタバースの技術サービスやコンテンツ制作、IP運営のほか、企業がアバターを入り口としたブランドのメタバース構築を支援する。芸術とAIテクノロジーを深く結びつけ、ブランドのバーチャルキャラクターを中心としたソリューションの設計や構築をすることで、バーチャルキャラクターのIP化や多様な場面での応用をサポートしている。

OPENVERSEの中心メンバーは中国IT大手アリババ集団の研究機関「アリババ達摩院(Alibaba DAMO Academy)」やテンセント(騰訊)、バイドゥ(百度)元チーフサイエンティスト吴恩达(Andrew Ng)氏が立ち上げたラボなどの出身で、シンガポールや北米、中国に100人近い社員がいる。自社でAIアルゴリズム研究室を立ち上げており、関連する特許と知的財産権を所有している。

(翻訳・山口幸子)