在来線最速160キロ通過を体感する

47NEWS6/13(金)11:00

在来線最速160キロ通過を体感する

在来線最速160キロ通過を体感する

 【汐留鉄道倶楽部】絶好調なインバウンドに引っ張られて、東京の都心と成田空港を結ぶ交通機関はどこも大にぎわいだ。それら交通機関のうち、最速ルートである京成電鉄の成田スカイアクセス線へ、途中下車の旅に出た。特急スカイライナー(特急料金が必要)が在来線最速の時速160キロで通過する姿を見るためだ。

 東京スカイツリーの足元にある押上駅。相互乗り入れする京成押上線と都営地下鉄浅草線がほぼ一体化しているためか、ターミナルなのに単独路線の駅のような雰囲気だ。狭いホームには、大きなスーツケースを転がす観光客がひしめいていた。そのほとんどが「北総線経由」成田空港行きのアクセス特急(特急料金は不要)に吸い込まれた。

 押上から京成高砂まで押上線と京成本線を走り、京成高砂から先が成田スカイアクセス線となる。「北総線経由」と案内されるように、京成高砂から印旛日本医大までは北総鉄道の北総線(時期や区間によって社名や路線名は異なるが、このコラムでは現在の名称で統一する)だったのを、後に成田スカイアクセス線との共用区間にした。

 ゆっくりと京成高砂を出たアクセス特急は、左に車両基地を見ながら京成本線と分かれて高架橋へ進み、力強い加速とともに軽快な高速走行に切り替わった。2駅目の新鎌ケ谷で電車を降りた。2025年春に会社の吸収合併で名称変更した京成松戸線(旧新京成電鉄)との乗換駅だ。ホームからいま走ってきた京成高砂方向を見ると、右端に短い線路があった。かつて北総線と新京成が相互乗り入れていたことと関係がある。

 当時の北総線は高架から坂を下って、地上にあった新京成の北初富を終着駅としていた。北総線が京成高砂まで延伸してしばらくすると乗り入れが廃止され、北総線の北初富も廃止になった。現在では高架を下る坂道は解体されて、跡地は京成関連企業の事務所となり、道路を横切っていた踏切は跡形もなくなっていた。京成松戸線の北初富は高架化され、地上駅跡が更地になって再開発を待っていた。先ほどの短い線路は、数少ない〝生き証人〟である。

 続いて新鎌ケ谷の隣駅の西白井へ。線路の脇に銀色のシートで包まれた物体があった。北総鉄道の前身の北総開発鉄道時代から活躍し、廃車されて久しい7000形電車だ。「げんこつ」と呼ばれたユニークな車体を直接見たかった。そのうちシートを脱ぐ日がありますように。

 さらに電車に乗って千葉ニュータウン中央を訪ねた。駅前の広大な空き地の存在感が強すぎる。この土地は幻となった成田新幹線の駅になるはずだったが、計画が白紙になって今に至る。これだけ広ければ超高層ビルを何棟も建てられそうなのに、太陽光発電のソーラーパネルを並べる程度にとどめているのは、ひそかに壮大な計画が練られているからなのか。ふわっとした期待が膨らんだ。

 成田スカイアクセス線と北総線の共用区間は印旛日本医大まで。この先は成田スカイアクセス線の単独路線となる。特急スカイライナーが国内在来線最速の時速160キロで走るのは、印旛日本医大と空港第2ビルの間に限られており、途中駅は成田湯川だけだ。時速160キロの通過列車を間近で見られる駅も同駅だけということになる。

 成田湯川は新幹線の駅のように感じた。線路は4線あり、外側2線がホームに停車するための線路、中央の2線はホームから離れた通過線になっている。「さすが時速160キロの通過駅だ」と感心していたら、突然スカイライナーが現れた。すぐにカメラを向けたが、あまりに速くて撮りそこねた。まるで「160キロを侮るな」と言われた気分になった。幸いスカイライナーはたくさん走っているので、次を待つことができた。

 信号が赤から青になったところで気を引き締めると、ゴーッという音とともにスカイライナーが走ってきた。そして響き渡る通過音は明らかに普通の在来線とは異なり、新幹線に近いように思えた。
 成田湯川の信号機には、「進行」を示す通常の青1灯のほか、160キロ出してもいいという「高速進行」を示す青2灯の表示がある。話には聞いていたが、実際に見るのは初めて。その次のスカイライナーでは、青2灯と車両の共演を写真に収めた。

 これだけ見て回ったら成田スカイアクセス線に愛着が湧いてきた。いつもスカイライナーに乗ると最高速度を楽しむ間もなく眠っていたが、次回は160キロの車窓を楽しもうと決意した。

 ☆共同通信・寺尾敦史

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